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AutoCADの配列複写機能とは?使い方を解説

AutoCADでは、業務効率化に活躍する機能が豊富に実装されています。配列複写機能もその一種で、正しく使いこなせるようになれば、生産性向上に貢献するでしょう。

この記事では、AutoCADが実装する配列複写機能について、その概要や基本的な運用方法を解説します。

目次:

  1. AutoCADの配列複写機能とは
  2. 配列複写機能の種類
  3. 自動調整配列複写と非自動調整配列複写の違い
  4. 自動調整配列複写の実施方法
  5. 自動調整配列複写の修正方法
  6. 配列複写に関する主なコマンド
  7. 配列複写が正しく機能しない時の対処法

AutoCADの配列複写機能とは

AutoCADが搭載する配列複写機能は、作成済みのオブジェクトを複製して、規則的な配列で並べることができる機能です。

大きな施設の図面作成などを行う際、椅子や支柱などの同様のオブジェクトを多数並べる必要があります。これらを手動で配置するのは困難であるため、複製機能を使って実施しますが、手動で配列までを手掛けるとなると、それも時間がかかるものです。

そこで活躍するのが配列複写機能です。配列複写機能を使用すると、単に複製するだけでなく規則的にオブジェクトを配置できるため、手動で微調整を行う必要がありません。

オブジェクトを決まった間隔で配置したい場合、積極的に活用しましょう。

配列複写機能の種類

配列複写機能を使用する場合は、

  • 矩形状
  • 円形状
  • パス

という3つの種類から配列方法を選ぶことができます。矩形状を選択した場合、複製したオブジェクト群で矩形を描くように配列できます。円形状の場合は、複製オブジェクト群で円形を描きます。

パスを選択した場合、直線や曲線、円など指定したパスの形に沿って規則的にオブジェクトが配列されるのが特徴です。

規則的な配置にも様々な種類があるため、状況に応じて配置パターンを使い分けられると良いでしょう。

自動調整配列複写と非自動調整配列複写の違い

配列複写機能を使用する場合、自動調整配列複写と非自動調整配列複写の2種類が存在します。

自動調整配列複写は、スタンダードな配列複写機能です。配列は全て自動で行われ、複写の間隔や数などを設定すると、その通りに実行されます。また、配列複写を実行したものを後から再度編集し、配置したオブジェクトをまとめて修正できる点も便利なポイントです。

一方の非自動調整配列複写では、配列複写を実行した後、編集を一括で行うことはできません。配列複写そのものの設定や適用は自動調整配列複写と同様ですが、配列後はそれぞれが独立したオブジェクトとして扱われます。

そのため、配列複写した後も微調整が発生するかもしれない場合、自動調整配列複写機能を使って作業を進めることが大切です。

自動調整配列複写の実施方法

自動調整配列複写を実行するには、まず[ホーム]タブより修正パネルを開き、[配列複写]を選択します。すると矩形状、円形状、パスから配列複写の種類が選べるので、これを選択しましょう。

配列複写ツールが起動したら、複写したいオブジェクトをクリックします。その後[配列複写]リボンをクリックして、間隔や行数など、配列複写を実行するにあたって適切な値を選択します。

正しく設定が行えたら、設定変更後の選択オブジェクトを確認しましょう。入力した値に応じて、配列が実行されているはずです。

自動調整配列複写の修正方法

自動調整配列複写を実行した後、一部のオブジェクトを修正したいケースが発生することもあります。その際、以下の操作を必要に応じて実行し、問題を解決しましょう。

配列複写内の項目を変換する

配列複写を実行したが、複製したオブジェクト、いわゆる項目を変更したい場合は[配列複写]オブジェクトから[配列複写]リボンを選択し、[項目を置き換え]を選択します。その後置き換えたいジオメトリを任意に選び、[Enter]を入力しましょう。

新しいジオメトリの基点を指定したら、[元のオブジェクト]オプションを選びます。これによって配列複写内の項目は新しいオブジェクトに置き換えられます。オブジェクトの変換にあたり、行数などの調整も行うと良いでしょう。

オブジェクトの一部を削除する

作成したオブジェクトの一部を削除したい場合には、Ctrlボタンを押しながら削除したい項目を選択します。それからDeleteキーを入力するか、あるいはERASEコマンドの入力で、オブジェクトを選択したもののみ削除することができます。

自動配列複写を個々のオブジェクトに変換する

基本的に、自動配列複写で生成したオブジェクトは一括での運用となります。

一方、複製したものを個々のオブジェクトとして運用したい場合は、配列複写に対してEXPLODEコマンドを適用することで、分離させることが可能です。

自動調整配列複写は必ずしも一括運用にこだわる必要がない点を覚えておきましょう。

配列複写に関する主なコマンド

配列複写機能を使用する場合、コマンド入力で各種操作を行えるようになると生産性向上につながります。配列複写に関する主なコマンドには、

  • ARRAYCLASSIC  [配列複写]
  • ARRAYCLOSE[配列複写編集モード終了]  
  • ARRAYEDIT[配列複写編集]  
  • ARRAYPATH[パス配列複写]  
  • ARRAYPOLAR[円形状配列複写]  
  • ARRAYRECT[矩形状配列複写]  
  • ARRAY[配列複写]  
  • GETENV[環境変数表示] 

が挙げられます*1。

配列複写を実行するには、ARRAYCLASSIC、あるいはARRAYとコマンドラインに入力することで展開ができます。配列複写を終了する場合、ARRAYCLOSEの入力で実行可能です。

作成した配列複写の編集にはARRAYEDIT、配列複写を特定の形状で実行するにはARRAYPATHやARRAYPOLARなどを駆使しましょう。

配列複写が正しく機能しない時の対処法

配列複写コマンドを実行しても、正しく機能しないというケースに直面することもあります。基本的に配列複写が正しく実行されないまま終了してしまう場合、最も多いケースがファイルの破損です。

図面ファイルが正しく維持されていないことにより、オブジェクトの複写ができなくなっています。この場合、図面全体をWBLOCKコマンドで書き出しを行い、図面の再作成を行いましょう。

図面の再作成が完了したら、もう一度配列複写を試します。

まとめ

この記事では、AutoCADにおける配列複写機能の使い方を解説しました。配列複写は規模の大きな図面作成が発生すると、頻繁に登場する機能です。

配列複写にはいくつかの種類があるため、それぞれを使い分けられるのが理想です。コマンドリストも参考にしながら、臨機応変に使い分けられるよう、準備しておきましょう。

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*1Autodesk「配列複写を使用するコマンド」

https://help.autodesk.com/view/ACDLT/2023/JPN/?guid=GUID-1D619F4D-DAFF-4D33-93D1-220ED6C9EA2A

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