1. TOP
  2. ブログ
  3. RevitとARCHICADを比較!概念や特徴を解説

RevitとARCHICADを比較!概念や特徴を解説

一般的な設計ソフトには、CADソフトを用いるのが主流です。

しかし、近年建築設計の現場では、3D設計ソフトBIM(Building Information Modeling)が、さまざまな企業で用いられています。BIMは2D・3DCADに加え、各パーツに情報が入っているため耐久性など建築性能や構造上の課題など、あらゆるシミュレーションが可能です。

代表的なBIMは、海外のソフト開発会社がリリースしている、RevitとARCHICADの2種類です。ここではRevitとARCHICADの概要や特徴をはじめ、各機能やコストなどを比較紹介します。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①Revitの特徴
②ARCHICADの特徴
③RevitとARCHICADの違い

▽関連記事はこちら

Revitの特徴

まずはRevitから、概要や特徴・コストなどを紹介します。forgeやAutoCADなどでも有名な、Autodesk社がリリースしたBIMです。

Revitの概要

Revitとは1997年頃に開発が始まったBIMで、元はAutodesk社ではない別の会社で開発されていました。その後、Autodesk社がRevitの開発会社を買収し、販売しました。

Revitは3DCADソフトであり、BIMとしての機能も含まれています。主な機能は平面図や立体図、断面図など図面作成をはじめ、各構造部のシミュレーションや構造計算、電気設備の設計やシミュレーションなど多彩な内容です。

料金プランはサブスクリプション方式で提供しています。*1
l 1ヶ月プラン:53,900円
l 1年プラン:427,900円(1ヶ月35,659円)
l 3年プラン:1,219,900円(1ヶ月33,887円)

Revitの主な特徴

Revitの主な特徴はCADソフトの基本仕様でもあった、レイヤーの概念がありません。*7

レイヤーとは複数の図面を重ねられる概念で、さまざまな用途や種類に分けながら設計することが可能です。一方Revitの場合は、BIMの概念をベースにしているので、各パーツを壁や柱、梁など役割に分けて設定しながら設計します。*2

更に2D図面で設計をしたり、3Dビューに切り替えて立体的に確認したりすることも可能です。たとえば2Dであれば細かく寸法や内部構造を把握できますし、3Dビューにすれば使いやすさやデザイン性をよりリアルに再現できます。

Revitの優れた機能

Revitは設計だけでなく、意匠(デザイン)や構造データ、設備データなどあらゆるデータ作成やシミュレーション機能などを備えています。

具体的には、以下のような機能を実装しています。*3
l 集計表:各データを収集し、各データから積算を表示したり設備や回路の詳細を一覧にしたりします
l パラメトリックモデリング:各要素を連携させ、自動調整してくれるシステム。たとえば壁とドアを連携させた場合、ドアの配置を変更すると壁もドアに合わせて形状を変化させます
l 構造モデルの制作と解析:質量や曲がりなどさまざまなデータが含まれた鉄筋や構造用鋼をモデリングしたり、各要素を組み合わせたのちに応力の計算・確認したりなどが可能
l MEPモデル(電気設備など)の制作と解析:電気・配管などの設備設計から、電気的負荷や各設備を使用した時の建築物への影響など、詳細なシミュレーションと解析もできます

他にもRevit同士でデータを共有できるので、設計と現場、依頼企業などと情報共有しやすいのも魅力です。設計作業の効率化だけでなく、全体の工数削減効果も期待できます。

ARCHICAD の特徴

続いてARCHICADの概要や特徴などを紹介します。ARCHICADも海外製の設計ソフトで、デザインに強い特徴もあります。

ARCHICADの概要

ARCHICADとは、ハンガリーに拠点を置くグラフィソフト社が開発した、建築向け設計ソフトです。グラフィソフト社は建築CADソフトメーカーで、ARCHICADの開発を1982年から始めました。

Autodesk社など設計ソフトメーカーの中でも、特にBIMの開発が早いといえるでしょう。そしてARCHICADは、BIMとして活用できますがCADソフトのレイヤーを残しているので、従来のCADに慣れている方は特に使いやすいと感じる可能性があります。平面図や立体図、断面図の設計をはじめ、曲線や複雑形状のデザインを高精度かつ詳細に表示するのもARCHICADの強みです。

料金プランは購入方式です。また、2022年8月5日時点で、バージョン25と25soloが販売されています。*4
l ARCHICAD25:本体価格1,016,400円
l ARCHICAD25solo:本体価格508,200円

ARCHICADの特徴

ARCHICADの主な特徴は、レイヤーの概念を残した設計ソフトという点です。AutoCADなど、一般の2D・3DCADソフトはレイヤーを活用しながら、設計作業を進めます。*7

しかし、MIBの場合はレイヤー機能を廃止しているケースもあり、新たな設計方法を習得するコストや時間など含め、設計担当者に負担がかかります。ARCHICADはレイヤーを残しているので、MIBではないCADソフトに慣れている担当者も比較的スムーズに切り替えることが可能です。
他の特徴は、図面の整合性を考慮する必要のない自動調整機能です。たとえば平面図の一部を書き換えると、リアルタイムで断面図や他の図面、3Dデータも全て書き換えてくれます。*5
そのためデータの編集時に、図面同士の整合性を気にしながら手動で修正する必要がなく、作業効率アップも期待できます。

ARCHICADの優れた機能

ARCHICADが優れている点は、2D・3D・平面図や立体図、各データが連動しているので、さまざまな情報を手軽に取り出したり編集したりできる点です。
たとえば平面図のR径や角度・壁や柱の寸法を変更すると、リアルタイムで3Dデザインや関連する他図面にも反映されます。また、デザイン機能も強化されているので、複雑形状のアイデアを3Dモデリングで再現可能です。
GDLオブジェクトは、材質設定や実製品の動作を再現できますし、2D・3Dどちらでも動作制御できます。*6

▽関連記事はこちら

RevitとARCHICADを比較

RevitとARCHICADの機能や仕様を比較しながら、どのような違いや優れたポイントがあるのか紹介します。

レイヤーなどの基本的な概念の違い

RevitとARCHICADでは、レイヤーの有無に関して違いがあります。

レイヤーを残しているのはARCHICADで、AutoCADなど一般の設計ソフトを使用してきたエンジニアには慣れやすいでしょう。一方、Revitはレイヤーをなくし、BIMのシステムを全面的に導入しているのが特徴です。*7

レイヤーに関しては、どちらが優れているということではなく、各設計・建築現場によって効率は変わるでしょう。

単体で搭載されている機能の違い

Revitの場合は、本体のみで図面作成からデザイン・電気回路や設備配置・配管などの設備設計や配置などが可能です。更に、設計後は解析作業も行うことができるので、電気回路の検証や各種設備が建物に与える影響など、詳細なデータを入手できるのも魅力です。8
ARCHICADの場合は、ソフト単体で平面図や断面図・3Dデザインの設計は可能ですが、電気設備などの設計からシミュレーションまでは、別のソフトを使用・データ連携させなければいけません。
9
別のソフトとは、ARCHICADをリリースしているグラフィソフト社が開発したMEP Modelerです。
MEP Modelerを導入すれば、機械設備や電気設備・配管設備のモデリングからシミュレーションも実行できます。また、本体価格は89,800円です。

建築物の設計から構造計算なども一括で処理してくれるMIBのRevitとARCHICAD。

Revitはソフト単体で図面作成から機械・電気・配管設備の設計と、建築物や材料に掛かる負荷の計算など豊富な機能を搭載しています。
ARCHICADの場合は、MEP Modelerも活用することで設計から各種設備の設計やオブジェクトの作成などが可能です。利便性ではどちらも優れている部分があり、費用もしくは操作性・独自機能などから比較検討するのがおすすめです。また、料金プランはRevitがサブスクリプション方式で、ARCHICADはソフトを購入する方式と、大きく違っています。

今後、設計事務所や建築現場ではBIMの導入が求められることが増える可能性が高く、この機会にRevitとARCHICADどちらかを検討してみてはいかがでしょうか。


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

参考URL
*1,2,3,8
Autodesk, https://www.autodesk.co.jp/products/revit/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
*4,5,6,9
GRAPHISOFT, https://graphisoft.com/jp/solutions/products/archicad
*7
大塚商会, https://mypage.otsuka-shokai.co.jp/contents/business-oyakudachi/cad-lecture/2016/201604.html

2022年8月5日 情報更新

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP