セキュリティ対策に対してリワードを与える、GoogleとLINE
普段あまり意識しないが、システムのセキュリティ対策は非常に重要だ。あらためて言うまでもないが、個人情報漏洩などに対する社会的制裁は非常に重たい。
ベネッセホールディングスが6日発表した2014年4~12月期の連結決算は、純利益が前年同期比82%減の36億円だった。昨年7月に発覚した会員情報の漏洩事件のおわびや、人員削減に伴う費用などを特別損失に計上したことが響いた。
(日本経済新聞)
しかしながら、「セキュリティ」というものは、ベンダーやサービス提供側だけが対策すれば良い、というものではない。多くのセキュリティ事故は、何十もの厳重うなガードをかいくぐってハッキングに成功した、と言うものではなく、単に「強度の低いパスワード」を破られてしまっただけ、ということも多いからだ。
ベンダーが如何に強固なシステムを作っても、パスワードをあっさりと破られては元も子もないのである。
しかし、ユーザーに「セキュリティ対策せよ」と要求するのは難しい。
ユーザーは面倒を嫌うし、パスワードが覚えられない、ということで複数のサービスのパスワードを使いまわす、という行為は日常茶飯事だ。ユーザーにパスワードの変更などを強制すれば、すぐにユーザーははなれてしまう。
では、ユーザーに意識を高めてもらうにはどうするのか。それに対する一つの答えがGoogleとLINEの活動にある。
昨年の夏、LINEがパスワード変更に対して報酬をあたえ、ユーザーのパスワードセキュリティを高める施策を行った。
LINE、パスワード変更でオリジナルスタンプ16種をプレゼント
LINEは7月3日、LINEのパスワードを変更した人全員にLINEキャラクターの特製スタンプ16種をプレゼントすると発表した。最近多発しているLINEアカウントの乗っ取り被害を防ぐため、スタンプを配布することでユーザーのパスワード変更を促している。配布期間は8月2日まで。
(ITmedia)
そして、現在、Googleが同じようなことを行っている。
Googleドライブが無料で2Gバイトもらえる「セキュリティ診断」キャンペーン、2月17日まで
米Googleは2月10日(現地時間)、「Safer Internet Day」を記念して、Googleアカウントの「セキュリティ診断」をするだけでGoogleドライブ2Gバイト分を無料で提供するキャンペーンを開始すると発表した。
(ITmedia)
重要なのは、ユーザーに負荷を感じさせず、どのように進んでセキュリティの高い行動を促すか、ということだが、いずれも話題になっているところを見ると、成功しているといえるのではないだろうか。
サービスの内容が良いことはもちろん前提であるが、こういった「セキュリティに対する取り組み」が評価されるように、世の中の意識が変化してきているのかもしれない。
(photo:David Goehring)