Googleのニュースキュレーションアプリ「Googleアプリ」に未来はあるのか?
あまり広く知られていないが、Googleにもニュースキュレーションアプリが存在する。
その名もズバリ「Googleアプリ」だ。
ご存じの方もいるかもしれないが、一見検索アプリに見えて、実のところこれは「ニュースキュレーションアプリ」である。
もちろん「検索」をうたっているので、検索にも使える。
音声で検索できるし、目的地までの経路案内、画像検索など、機能は充実だ。
だが、おそらくこのアプリで「検索」はあまり使われない。音声検索は恥ずかしいし、経路案内は結局Googleマップを使うし、画像検索や通常の検索は、Chromeで事足りてしまう事がほとんどだ。
で、結局残った機能が「Google Now」という機能、つまり「近傍の情報を表示する機能」になる。
イメージとしては、個人にカスタマイズされた「Googleニュース」が勝手に表示されるイメージだ。
そして、このニュースは「検索履歴」「場所」などの情報から自動で更新される。つまり、ニュースキュレーションだ。
さて、このニュースキュレーションだが、FacebookやらTwitterやらと、随分と使い心地が違う。
単純に言えば、Facebookで流れてくる記事と、Googleから流れてくる記事とは、全く異なるものだ。
Twitterとは更に異なる。
結局のところ、FacebookやTwitterは極めて個人的な情報が流れてきやすいのにたいして、Googleのタイムラインは大手のニュースサイト、たとえば東洋経済や日経、産経ニュースなどである。
「あなたの興味に合わせて」
「訪れたサイトの内容に合わせて」
と、キュレーションを語っているが、実のところは検索履歴を追いかけて、大手のメディアの中からキーワードで記事をひっかけているだけだろう。
そう、Googleは「人の興味」を扱うことが苦手なのである。
その点、Facebookは強い。「友人」という強力なフィルターが、今まで検索したこともないようなキーワードを引っ掛けてくる。
Twitterもそうだ。誰をフォローするかで、タイムラインの面白さは大きく違う。逆にそれがあるからこそ、Twitterは面白い。
これであれば、未だスマートニュースのほうが質が高いし、はてなブックマークでも見ておいたほうがマシである。
では、そんなGoogleのニュースキュレーションアプリ「Googleアプリ」に未来はあるのか
現在のところ、それは見えない。AIの活用が進んだとしても、「はっきりと定義されていない」人の欲求を先回りして読むのは、未だ人間のほうが得意なのだ。
Googleもそれをわかっているからこそ、Google+というSNSをリリースしてはいるが、そもそもGoogle+を積極的に使っている人を身の回りで見ることは殆どないのである。
(写真 Niharb)