清水建設のKAPシステムとRevitの連携がもたらすものとは


大手ゼネコンを中心に、BIM運用は少しずつ普及が進んでいます。
中でも清水建設はBIMの運用に積極的な企業の1つで、独自の取り組みを進めてきました。

今回は、清水建設が運用する鉄骨構造物関連のKAPシステムとRevitの連携、そして彼らが目指すBIM運用の未来についてご紹介していきます。

目次:
① 鉄骨構造物のトータルサポートを担うKAPシステム
② Revitとの連携でさらなる効率化を促すKAP for Revit
③ 清水建設のBIM運用においても重要な位置付けに

KAPシステムとは

KAPシステムは、清水建設が70年代より開発を進めてきた、鉄骨構造物のトータルサポートを担うシステムです。

https://www.kapsystem.jp/index.html

鉄骨構造物のトータルシステム

清水建設においては、1972年より自社の図面、原寸作業の省力化がプロジェクトとして進められてきました*1。

鉄骨構造物のモデルをコンピュータ内に構築し、そこから出力物を得るという構想は、まさに現代のBIMに通じる先進的な取り組みだったのです。

鉄骨専用CADとして販売され、導入企業は180、販売セット数はすでに500を超える人気商品となっています。

KAPシステムの機能

人気商品であるKAPシステムの特徴は、何と言ってもその機能性の高さにあります。

CADデータに合わせた仮説金物などの自動生成機能や、設計図のトレース機能による部材配置サポート、マクロ言語を用いた特殊加工の対応と、機能は豊富です*2。

また、KAPシステムではWebアプリケーションとの連携にも対応しています*3。

複数人で図面やCADデータを閲覧することができるよう設計されており、Webブラウザを通じて柔軟な情報共有が可能です。

iPadやAndroid端末からの閲覧も可能なため、現場における運用にも期待することができます。

さらに、次世代の情報共有において不可欠な、BIM利用に向けた取り組みに積極的なのも、KAPシステムの強みです。

KAPシステムにおいては設計BIMと施工BIMの2つのアプローチでBIM対応の取り組みが進められています*4。

設計BIMにおいてはフロントローディングを取り入れた業務プロセスを構築し、データ連携の強化を行い、干渉チェックの早期実施などを実現します。

施工BIMでは現場での積極的な運用を見据え、可視化に向けた機能の強化が行われています。

KAPシステムのRevit対応

KAPシステムは単体でも高い機能性を有している点が評価されてきましたが、新たに注目を集めるきっかけになったのが、BIMソフトウェアであるRevitとの連携機能です。

KAP for Revit(K4R)とは

KAP for Revit、通称K4Rは、KAPシステムとRevitが融合した、鉄骨構造物専用のBIMシステムです。

KAP for Revit公式:https://www.kapsystem.jp/kapforrevit/index.html

これまで独立したシステムであったKAPシステムを、AutodeskのソフトウェアであるRevit上でも使えるように誕生し、さらなる効率的な運用を実現しています。

KAPシステムの強みは入力データを自動で計算し、大規模な建設物でもモデル化することができる点にあります。

しかし、鉄骨の設計が進むにつれて構造モデルも変化していくため、最新の数量を確認するためにはデータを手動で入力するか、システム上の修正が必要となっていました*5。

そこでKAP for Revitにおいては、1つのデータを入力するだけで動作し、リアルタイムで鉄骨の詳細検討が行えるよう開発が進められてきました。

そのため、設計事務所やゼネコンの基本的な構造仕様、そして建物別の使用部材は、事前に登録できるようになっています。

この結果、概算段階の時点で正確な数量の割り出しが実現し、情報共有のスピードの飛躍的な向上と、データ処理に伴う大幅な効率化が実現しました。

KAP for Revitの運用メリット

清水建設がKAP for Revitを運用するメリットとして挙げているのは、コストパフォーマンスの向上です。

物件の規模の大小に関わらず、KAP for Revitでは構造データの入力作業を大幅に自動化することができるため、作業効率は大幅に向上します。

その結果、設計段階における鉄骨数量の把握が迅速に行われ、鉄骨ファブとのデータ連携もそのまま行えるので、関連業務の省人化が実現するというわけです*6。

施工段階においても、鉄骨工事における施工図作成業務を、従来の半分程度人員で手がけることが可能になるため、人員配置の効率化が進みます。

単なるコストパフォーマンスの向上だけでなく、業務に必要な人員が少なくなることで、年々進む労働人口の減少にも対応できる環境の整備にもつながるでしょう。

清水建設のオープンBIMとKAPシステム

KAPシステムとRevitの連携は、清水建設がこれまで取り組んできたオープンBIMの施策の一環としても、非常に大きな役割を担っています。

Shimz One BIMとRevit

清水建設が進めているのは「Shimz One BIM(設計施工連携BIM)」と呼ばれる、BIM運用を前提とした生産体制の構築です*7。

これは、設計者の手がけたBIMデータを施行から発注、運用にまでワンストップで展開し、業務遂行におけるあらゆる無駄を削減していこうという取り組みです。

Autodesk社のRevitをベースとしてこの取り組みが進められているのは、同製品の互換性の高さに注目したものです。

BIM運用における課題として現在挙げられているのは、BIMソフトが各社でバラバラに運用されており、互換性を持たないために運用上の不都合が生じている点です。

設計事務所と施工主、そして施行現場において異なるBIMソフトが使われているとなると、BIMの利点である一貫性が失われます。

本来はワンストップでの情報共有が行われるはずが、各段階において調整業務が生じ、かえって時間がかかってしまうというリスクです。

Shimz One BIMが取り組む目的には、こういったBIM運用における課題の解消も挙げられます。

安定性と汎用性に優れるBIM運用を目指す

Shimz One BIMの構想においてKAP for Revitが重要な地位を占めているのは、鉄骨建造物の需要の高まりと、それに伴う鉄骨生産業務の効率化のニーズが高まっているためです。

鉄骨のコストが全体コストにおいて占める割合は大きく、この業務を効率化することのメリットは大きいのです。

清水建設のワンストップBIM運用実現においても、鉄骨コストの削減は大いに意義のあるものです。

プロジェクトにおけるKAP for Revitの早期導入は、同社のBIM運用ソリューションに対する積極的な姿勢を表すものであるとも言えるでしょう。

Shimz One BIMのシステム構築は2021年度中に完成が予定されており、KAP for Revitに関してはすでにPCへの配備が完了し、案件の適用も開始しています。

K4Rをきっかけに、一層のBIM運用が進むことになるでしょう。

おわりに

清水建設のKAPシステムは、鉄骨建設のコスト削減という、建設業界においては大きな課題の解決に取り組んできました。

BIMの時代へと移り変わる中で、KAPシステムもRevitに対応し、Shimz One BIMという構想の中でさらに輝く存在へとシフトしてきたのです。

▽BIMについてはこちらもチェック

「D’s BIM」に見る大和ハウスのBIM運用の目的と手段

五洋建設が進める施工管理システムへのBIM導入

鹿島建設の生産性向上施策|BIMを使ったロボットの遠隔管理を解説

出典:

*1 KAPシステム「システムの概要」
https://www.kapsystem.jp/pdf/overview.pdf

*2 KAPシステム「自動生成」
https://www.kapsystem.jp/generation/index.html

*3 KAPシステム「Webアプリケーション」
https://www.kapsystem.jp/web/pdf/web_003.pdf

*4 KAPシステム「BIM利用に向けた取り組み」
https://www.kapsystem.jp/bim/pdf/bim_003.pdf

*5 BUILT「“KAPシステム”と“Revit”の一体化、鉄骨の建築生産プロセスをリアルタイム共有 (2/2)」
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/1809/27/news024_2.html

*6 清水建設「BIMをベースにした生産体制を構築へ」
https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2019/2019036.html

*7 同上

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