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東急建設が「UiM」で実践する次世代のBIM活用とは

BIMやCIMを活用した新しい建設プロセスの実行は、必ずしも良い結果だけをもたらしてくれるとは限りません。

新しい技術をそのまま既存のプロセスに埋め込むのではなく、新技術を使って建設のあり方そのものを変えていくことも必要になるものです。

東急建設が新しいBIM活用のアプローチとして採用している「UiM」は、実際のプロジェクトにも採用され、成果を挙げているコンセプトとして注目を集めています。

目次:
①BIMとCIMを統合するUiM
②すでに渋谷駅で実践されているコンセプト
③合意形成や高度なシミュレーションへの応用も

東急建設のUiMとは

東急建設がコンセプトとして掲げたUiM(Urban information Modeling)は、都市における大規模な建設プロジェクトを、円滑に進めるべく誕生したワークフローです。

BIMとCIMの統合を目指

UiMにおいて根幹となるのは、BIMとCIMの融合です。

BIMおよびCIMは、前者が建設物に特化した新しい3Dモデル、後者が土木建設に活用される3Dモデルと使い分けられており、使用シーンは異なることが想定されてきました。

しかし、大都市のど真ん中で大規模な建設プロジェクトを展開していく場合、通常の施工以上に迅速なプロジェクトの遂行が求められます。

建設予定地の周囲ではいつも通りの日常が続けられており、工期の遅れはそのまま人々の経済活動を阻害し、損失を生んでしまうことになるためです。

そこで東急建設によって考案されたのがUiMのコンセプトです。

BIMとCIMを統合的に利活用し、プロジェクトの円滑な進行を実現することで、負担を小さく抑えての大都市のさらなる発展を可能にしてくれました。

渋谷駅で実践されたUiM

UiMが東急建設で実際に導入されたのが、渋谷駅周辺の再開発です。

日本では新宿に次いで人の往来が激しい渋谷駅のすぐ近くで、広大な土地に巨大なクレーンや重機を何機も投入する建設において、UiMの構想は不可欠でした。

ビルの解体とともに地上、および地下の建設を進めていくという困難なプロジェクトですが、UiMの導入は効果的に機能しています。この点については、後述します。

BIM・CIM運用に伴ってきた課題

ここで、BIMとCIMを共に運用する上で伴ってきた課題についても見ておきましょう。

単独活用で生まれる情報共有の弊害

BIM・CIM運用における一つ目の課題は、単独活用がもたらす情報共有への悪影響です。

これらの技術は一つの3Dデータに多くの情報を内包することができるため、情報共有を円滑化し、設計から運用まで一貫した利活用ができると期待されてきました。

しかし、土木と建設の両方を同時に進めるようなプロジェクトとなると、BIMとCIMを別個に扱っていては情報共有に時間がかかり、作業に支障をきたします。

また、大規模で広大な開発プロジェクトとなると、とてもデータを一つで全てをまかなうことは難しくなります。

そのため、大規模なプロジェクトにBIMやCIMを上手く活用するためには、これらのデータを全て統合するためのプラットフォームが必要となるのです。

検討の余地の縮小

そして、BIMとCIMをそれぞれで単独使用することになると、プロジェクト内におけるプランの検討にも悪影響をもたらします。

渋谷駅周辺の開発プロジェクトのように、土木と建設が絡み合っている場合、BIMとCIMを統合的に扱わなければ、検討から漏れてしまう有効な策も生まれてしまいかねません。*1

少しでも効果的なプランを選択できる可能性を高めるためにも、UiMのようなBIM・CIM統合コンセプトは必要となってきます。

UiMがもたらした独自のBIM活用

このような課題に対処するために誕生したUiMですが、渋谷駅のプロジェクトにおいては一定の成果を生み出しています。

合意形成に大きな役割を果たす

まず、UiMで土木と建築の部門が共通のデータを参考に、意見交換などを行うことができるようになったため、合意形成に前向きな影響をもたらしています。

また、事業主のようなステークホルダーに対しての説明、あるいは近隣住民への説明においても役に立っています。

細部まで再現された正確な3Dモデルを活用した説明により、建設に明るくない人にもわかりやすい解説が行えるようになりました。

周囲の理解を迅速に獲得し、意思決定のスピードが加速することで、プロジェクトはさらに円滑に進めることができるようになります。

この変化は、目立たないながらも大きな進歩と言えるでしょう。

日々変化する環境の変化への適応力も

また、渋谷駅のような大都市の中心においては、人の移動や町並みの変化など、周辺環境が著しく移り変わっていくものです。

そういった環境の変化の中ではプロジェクトや工事の内容にも影響を及ぼしますが、UiMを活用することで、周辺環境に適したスケジュールやプロジェクトの進行を実現します。

工事の段階に応じて歩行者の通路の確保スペースを変更するといった業務も、スムーズに行えるようサポートしてくれるのです。

UiMの今後

UiMの活躍の幅は、渋谷駅周辺の再開発プロジェクトにとどまりません。

統合データの活用の幅を広げていくことで、今後はさらに複雑な業務における活躍も期待することができるでしょう。

4Dシミュレーションの実現

例えば、UiMは単なる3Dデータとしての活躍だけでなく、そこに時間軸を加えた4Dデータとしての活躍も期待されています。

4Dデータによってシミュレーションを実行し、建設現場における重機の位置や車両の出入りをウォークスルーで確認し、リスク管理に活かすことができます*2。

また、広大な土地を統合データとして管理できる能力を用いて、街全体の気流や光、そして人の移動の様子をシミュレートすることも可能です。

建設物の機能にとどまらず、街そのものをシミュレーションに組み込んでしまうことで、都市開発に伴うリスクの管理や、さらなる都市機能の改善に活躍してくれるでしょう。

維持管理への活用

設計、施工の現場だけでなく、竣工後の維持管理にもUiMは活躍します。

土木から建設までをカバーするUiMによって、建物の品質管理はもちろんのこと、管理スペース全ての品質を常に一定にキープすることができます。

たとえ建物そのものに問題がなくとも、周辺環境に異常が発生した場合、間接的に建物へ被害が及ぶこともあります。

そういったリスクまでもUiMによって管理し、あらかじめリスクに対処することが可能になるということです。

街全体を俯瞰しつつ、一つの建物を隅々まで注意深く管理できるスケーラビリティが、UiMに期待されている次世代の能力なのです。

おわりに

UiMはまだまだ新しいコンセプトで、なおかつ巨大なプロジェクトを前提とした考え方です。

しかし今後都市の再開発が進められていく中で、東急建設以外においても同様のコンセプトでプロジェクトは進められていくことになるでしょう。

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参考:
*1 AUTODESK「渋谷駅駅周辺再開発の施工に威力を発揮 BIMとCIMを統合した東急建設の「UiM」」
http://bim-design.com/infra/case/tokyu_cnst.html

*1 上に同じ


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