1. HOME
  2. ブログ
  3. NTTがGAFAの脅威に言及、携帯電話事業への参入は?

NTTがGAFAの脅威に言及、携帯電話事業への参入は?

 先日、NTTがドコモを子会社化し、今後の携帯電話料金の引き下げや海外への展開を見据えて経営基盤を強化することが発表されました。
その席でNTTの澤田社長が
「GAFAのような海外の強い会社が出てきている。この危機感が一番だ。」
とGAFAへの脅威に言及たことに、強い印象を受けた方も多かったのではないでしょうか。
 IT分野で世界を牽引し、今や絶対的な存在として君臨する「GAFA」。
果たして、NTTが脅威を感じているのは携帯電話事業への参入だけでしょうか。

この記事でわかること
 ・第三次産業革命の覇者であるGAFAについて
 ・5Gで変わる世界と通信事業の未来
 ・NTTが見据える世界戦略とは何か

第三次産業革命の覇者であるGAFAとは

 GAFAとは、Google・Amazon・Facebook・Appleの頭文字をとったもので、IT分野での代表的な巨大企業を表しています。
いずれも世界を舞台に、それぞれの分野で圧倒的なブランド力を持ち、脅威的なスピードで成長してきた企業です。
 また、積極的に投資と買収を繰り返すことで、幅広い分野でのサービスを拡大していることも特徴のひとつと言えます。

【各企業の主体となる事業】
 Google・・・検索サービス
 Amazon・・・ECビジネス
 Facebook・・SNS
 Apple・・・iPhoneに代表されるスマホなどのプロダクト

 それぞれの企業の主たる事業は上記の通りです。
 しかしいずれの企業も、ITと名のつくありとあらゆる分野で研究・開発・投資を繰り返し、現在では一言で把握しきれないぐらいの多種多様なビジネスを展開しています。
 例えば、Amazonは当初「インターネット本屋」という位置付けでビジネスをスタートしましたが、現在はありとあらゆる商材を扱うECショプとして、世界最大の規模を誇っています。
 さらにAmazonは、膨大なデータを処理をするためのデータセンターを各地に構築し、クラウドコンピューティングの代名詞とも言える「AWS(アマゾンウェブサービス)」を展開しています。
 NetflixやAirbnb・Slackという新興IT企業からNASAまで、世界を代表する企業や組織がAWSを利用するなど、今やAmazonの大きな収益源となっていることは間違いありません。*注1

 Googleは、この記事のテーマでもある携帯事業に直接関係の深い企業です。
iPhoneに対抗する「Android OS」のライセンスを提供しています。
Android OSのシェアはiPhoneで使われるiOSを上回り、世界中で多くのユーザーを抱える代表的なOSとなりました。
 
 Appleも当初は個人向けコンピューターで創業しましたが、現在ではiPhoneやiPadなどのモバイル端末に加え、Apple Musicなどのオンラインサービスなど、数多くの収益源を持つ企業に成長しています。

 GAFAは、第三次産業(いわゆるIT革命)での覇者と位置付けられています。
第一次産業が蒸気機関の発明を契機とした工場制機械工業の発達、第二次産業はガソリン・電力の利用による重化学工業の発達とされています。教科書で習った覚えがかすかにありますね。
 第三次産業革命は、IT技術の爆発的な発展に伴う産業構造の変化であり、リアルタムで進行中です。*注2

5Gで変わる世界と通信事業の未来

 これらのGAFAが携帯事業に参入し、NTTが恐れるような存在になるか?というのがこの記事で読み解きたい部分です。
 単純なイメージで考えると、例えばNTTドコモやau、ソフトバンクのように、Googleショップが各地にできて、Androidスマホを販売するというものです。
さすがに、AppleのiPhoneは店舗に置けないでしょう。。。
 やはりこのような未来が来るとはなかなか思えません。
AmazonやFacebookについても同様で、実店舗を展開してダイレクトな携帯事業(端末の販売)に参入するのは、ちょっと違うようです。

 実際、私たちが「携帯・スマホ」事業でイメージするのは、現実に足を運ぶことが多い携帯ショップです。
しかし、その多くが「代理店販売」であり、NTTドコモやau、ソフトバンクといったキャリア事業を展開する企業と契約し、店舗を構えているにすぎません。
 この分野はGAFAのターゲットとする分野ではないと思われます。

 では、GAFAが日本国内市場にキャリアとして参入してくるのでしょうか?NTTが脅威と明言したのはキャリア参入の分野なのか?という点です。
 これについても、微妙に異なると思われます。キャリア参入とは、具体的に言うと先日楽天が参入したように、携帯キャリアとして日本での事業申請をし、各地に通信網を展開した上でサービスを提供するという形態です。
 現実的に考えて、国内通信キャリアは携帯端末の契約数などを考えるとすでに飽和状態に近く、ダイレクトにキャリアとして参入してもそれほどビジネス上での旨味があるとは思えません。

 一から通信網を構築するために、膨大な設備投資が必要な上に、すでに有力キャリアが多くのユーザーを取り合っている状況の日本。
 さらには内閣主導で通信キャリアに対して値下げの圧力がかかっている上に、日本というローカルな商習慣と総務省による強い規制がかかる市場であるという、何重にも困難が存在します。
 そんな窮屈なところに、あえて踏み込んでくるほどの魅力はないように感じられます。

 この方向性での可能性は、Googleがアメリカで展開している「Google Fi」のようなサービスであれば、かろうじて考えられそうです。
 「Google Fi」とは、既存のキャリアと契約して、ユーザーが通信状態の良いキャリアを自動的で切り替えられるようにするサービスです。
 通信キャリアだけでなく、公衆無線Wi-Fiなどもうまく活用し、どこにいてもユーザーがそれと意識せず最適な通信環境が得られるという便利なサービスです。

 ただし「Google Fi」については、アメリカの特殊事情が大きな理由となって受け入れられるサービスです。
広大な国土を抱えるアメリカでは、有力キャリアであっても全米をフルカバーすることが困難であり、キャリアによって通信環境が良好なエリアと、そうでないエリアが存在します。
 都市部ではA、地方ではBというように。そのため、一つのキャリアとだけ契約していると場所によってはうまく繋がらないということが頻繁に起こり得ます。
このような事情からGoogle Fiに対するニーズが高くなり、導入のメリットもあります。

 一方の日本の場合、3大キャリアが全国の津々浦々をカバーし、少なくとも通信状態についてはそれほど明確な差がない状態です。
 Google Fiのような最適な通信環境を切り替えて使えるサービスに対して、潜在的なニーズはアメリカほどはないと思われます。
 また、もしこの分野でGoogleがサービスを展開しても、NTTドコモにとっての脅威と言えるほどの存在にはなり得ないのではないでしょうか。*注3

 では、NTTが考えるGAFAの脅威とはいったい何なんでしょう?
これについては「5G」と「グローバル展開」が重要なキーワードになりそうです。
まずは順番に「5G」について、その影響と予想される未来について考えてみましょう。

 4G・5Gとは国際的な通信の規格を表してます。
Gはgenerationの頭文字で、5Gとは「第五世代」を意味しています。
世代が進むごとに、通信スピードが上がりより大容量のデータをやり取りすることができるようになります。
 一現在、スマホを使った動画視聴などが一般的になり、通信料金さえ気にしなければそれなりに満足できるスピードは実現しています。
そう考えると、今以上に通信スピードが上がっても、どんなメリットがあるのかすぐに想像しにくいのかもしれません。

 実は5Gには、通信スピードの向上以外にも重要な特徴が2つあります。
一つは、「遅延がほぼない」こと、もう一つは「複数の同時通信が可能」なことです。
 これらの特性に、lotやモバイル通信端末の普及などが相まって、ありとあらゆる産業に影響を与える大きな改革が進むのではと予測されています。
いわゆる第四次産業革命の到来を5Gがもたらすのでは?というものです。
どうやら話が大きくなってきましたね。

 例えば、通信における遅延がほぼないと言う特性を活かして、医療分野での利用が期待されています。
遠隔地で高度な手術を実施するような場面で、医術者の操作がタイムラグなしに伝わるため、ロボットを使った新しい医療が可能になると考えられています。
 医療現場以外でも、危険な場所での作業など、作業ロボットを遠隔操作することで安全に実現するなど、これまでにできなかった活用方法が、さまざまな場面でできるようになります。

 複数での同時接続は、ゲームやオンラインでのミーティング、コンサートなどエンターテイメント分野や、我々にも馴染みの深いビジネス領域での活用が期待されています。
 モバイル端末だけでなく、家電や住宅設備など身近な電化製品をインターネット接続を通じてコントロールしたり、情報を取得したりするなど、これまで以上に私たちの生活を大きく変える可能性があります。
 このように、5Gは単なる通信スピードの向上だけに留まらない、大規模な生活や産業の革命を引き起こす可能性のある重要な規格と考えられています。

 当然、GAFA各社はこのような未来に備えて、それぞれに大規模な投資を行い、第四次産業革命においても主権を握るべく研究・開発に取り組んでいます。
 わかりやすい事例を一つあげるとすれば、FacebookやApple、Googleが取り組んでいることで有名な「自動車の自動運転技術」があります。
どの企業でも、本来の事業とはあまり馴染みのない分野のように思えますが、実は自動運転技術こそ5Gをフルに活用した代表的な事例と言われています。

 移動しながら、リアルタイムで自動車の情報を取得し、瞬時にAIなどに蓄積されたデータを元に、的確な判断と操作を指示することでコントロールする。
このような自動運転技術は、まさに5G技術の代表的応用例といえます。
GAFA各社が自動運転技術に膨大な投資を行なっているのも、5G技術に対応した高度なサービスを自社で開発し、そのノウハウを蓄積するのが目的です。

 Appleブランドが創る自動運転が可能な電気自動車を想像してみると、クールなデザインでかなり興味を引くプロダクトになりそうです。
しかし、Appleにしても本当に欲しいのは技術・ノウハウであって、ハードウエアについては主眼としてはいないのではないでしょうか?
Apple TVにしても、別にモニターがついて来る訳でもないですしね。

NTTが見据える世界戦略

 次に重要なキーワードは「グローバル展開」です。
日本の国内市場は、携帯端末の販売にしても回線数にしても、すでに飽和状態に近い状況です。
 菅内閣になって早速打ち出された携帯料金の値下げ方針なども合わせて考えると、この先単純な携帯販売と回線契約だけをしていても、国内キャリアの未来は明るいものではなさそうです。
 となると、それ以外の新たなサービスを開拓して市場を広げていくか、海外へ展開するかの2択しか道はありません。

 例えば、NTTドコモは「dサービス」というオンデマンドの動画配信サービスや決済サービスを展開しています。
このような各種サービスは、それぞれのキャリアで囲い込みをしている状況であり、dサービスをauユーザーが利用することはできません。
 dサービスの利用者数はドコモの回線契約数に依存するため、結局は飽和状態の現状を打破することは困難でしょう。
 それに対して、GAFAの提供する各種インターネットサービスはキャリアに依存しません。
キャリアにとって真に脅威と言えるのはライバルのキャリアではなく、GAFAであることがわかると思います。

 このような状況から、NTTが熱望しているのが海外へのグローバル展開となります。
ドコモはすでに、海外の通信事業者と連携した「O-RANアライアンス」を推進してきました。
 これは5G普及を想定した、無線ネットワークのオープン化や高度化を促進するアライアンスであり、海外への積極的な働きかけのひとつになっています。
 これまで海外展開ではあまり成果を出すことができてないNTTですが、最後の生き残りをかける覚悟でNTTドコモの買収を実行したというのが実情のようです。

 ここで、大きな壁となって立ちはだかるのは、海外現地キャリアではなく、GAFA各社であることは想像にかたくありません。
 すでに圧倒的なブランド力で世界中にユーザーを抱え、潤沢な資金で各地にデータセンターや通信網などのインフラを整備している巨大企業です。
 日本というローカルエリアで競争に明け暮れ疲弊しているNTTにとって、これ以上ないハードルに見えても仕方ないでしょう。
 NTTドコモ買収の記者会見でGAFAの脅威が語られていたのも、このような世界戦略を想定してのことだったのではないかと思われます。*注4

【まとめ】
 今回の記事では、NTTドコモ買収時に澤田社長が口にした「GAFAの脅威」について読み解いてみました。
 ややイメージが湧きにくい内容だったかもしれません。
最後にものすごく簡単にまとめてみると、「GAFAが日本にせめて来る」のではなく、「NTTが攻めに行く先にGAFAが待ち構えている」のが脅威である、といったところでしょうか。
 5Gの普及によって、この記事で取り上げた以外にも、全く新しい新興企業が登場し、あっという間に市場を席巻するという未来もありえます。
 いずれにしても、ユーザーサイドとしては便利で快適な世の中が目の前に来ているな、という感想で締めくくりたいと思います。

 


建設・土木業界向け
5分でわかるCAD・BIM・CIMの
ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
1データ活用方法
2主要ソフトウェア
3カスタマイズ
4プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中



CONTACT

株式会社キャパでは、アプリの開発・改善について
ご相談を承っています。

営業時間:月~金 9:30~18:00 
土日・祝 定休日

 


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を毎日更新しています!

・Twitter



・Facebook

キャパFacebookページへ

■参考文献
注1 
ZD Net Japan 「AWSを活用する有名企業15選–Airbnbなど新興企業からNASAまで – 9/15」
https://japan.zdnet.com/article/35074001/9/
注2
内閣府 「新たな産業変化への対応」
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk/n16_2_1.html
EL BORDE 「アフター5G」のGAFAは誰だ? 第四次産業革命がもたらすインパクト」
https://www.nomura.co.jp/el_borde/view/0031/
注3 
CAPA 「日本での展開に期待!Googleが提供するMVNOサービスFi」
https://www.capa.co.jp/archives/33125?doing_wp_cron=1606458662.1988170146942138671875
CAPA 「日本導入が待たれるGoogle MVNOは格安SIM市場を塗り替えるか」
https://www.capa.co.jp/archives/29245
注4 
News Witch 「「GAFA」に危機感抱くNTT社長、“ショック療法”で通信産業の変革狙う」
https://newswitch.jp/p/23999

    関連記事

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP