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【2022年版】「みんなが使えるBIM」を目指すBoot.one とは?今後の展望も解説

この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。

1.Boot.oneの魅力やアドインパッケージについて

2.Boot.oneが初心者でも使いやすい理由

3.国内のBIM導入状況について

「Revitのアドイン“Boot.one”は何?」

「どんなメリットがあるの?」

とお悩みの方へ。初心者でもスムーズにRevitを使えるように、アドインである「Boot.one」がリリースされました。開発元は大手ゼネコンである大成建設で、現場のノウハウが詰まっている点が大きな魅力です。

そんなBoot.oneは2019年のリリースから数年が経ち、ユーザーの声をメインとして日々アップデートされています。この記事では、Boot.oneの概要や魅力、リリース後どのようにアップデートしたかをご紹介します。

「Revitを使いたいけれど、現場が使いこなせるか心配」「なんとか使いやすくする方法はないか」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。

Boot.oneとはRevitのアドインパッケージのこと

Boot.oneとは大成建設が発表したRevitのアドインパッケージです。その使いやすさから、大和ハウス工業は2021年にBoot.oneの全面導入を発表しました。(※1)Revitにおけるアドインとは機能を拡張するツールのことで、日本でも多数の企業が発表しています。

Revitといえばオートデスク社のソフトで、世界的なシェアを持つBIMツールとして有名です。3Dモデルをベースにした作図はもちろんワークシェアリング機能などもあり、大手ゼネコンでも導入が進んでいます。

Boot.oneは大成建設が発表したアドイン

Boot.oneは「みんなが使えるBIMを目指す」というコンセプトのもと、正確な3Dモデルの作成や意図した通りの2D図面を簡単にできることを主軸として開発されたツールです。

初心者でもすぐ使える「コマンドツール」やテンプレート、ファミリや活用ガイドラインといった機能があり、初心者でも迷いにくい使いやすさにこだわっています。

Boot.oneの強みやインストール方法、価格については「大成建設がBIMソフト「Revit」のプラグイン発表!メリットと機能をご紹介」(https://www.capa.co.jp/archives/33047)で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

BIMの先駆者である大成建設

昨今建築業界や製造業界では、データ活用による3Dモデリングを基本として、ソフトウェアを活用して建築に関わる業務を効率化させるBIM(Building Information Modeling)が注目されています。

実はBIMは最近生まれたものではなく、注目され始めたのは10年以上も前の話です。アメリカ発祥といわれるBIMを日本でも導入しようとその機運が高まったのは2009年のことで、この年は「日本のBIM元年」といわれています。※2

しかし大成建設がBIMに取り組み始めたのは2005年あたりで、BIM元年である2009年の4年も前です。(※3)[智子1] 

当時、大成建設は設計図データから数量情報を取り出すこと・施工図の作成という2つに注力していました。しかし2D情報では不整合さが課題であり、ついに不整合がない3D情報、つまりBIMの導入を考え始めたのです。

Boot.oneはそんなBIMの先駆者である大成建設が開発したツールです。活用することでRevitの付加価値を高めて、BIM本来の目標であるデータの活用にもつなげられます。

Boot.oneがBIM初心者でも使いやすい3つの理由

Boot.oneは、Revitを使い始めたユーザーが戸惑いやすい以下の3つのポイントを考慮されています。

1.準備

Boot.oneは豊富なファミリを用意することで、手軽に作業を進められます。Revitでは“ファミリ”と呼ばれる部材データとテンプレートがなければ、なかなか簡単に使い始められません。

Boot.oneでは3000点の厳選ファミリや業務に即したテンプレートによって、初心者でも思い通りの設計ができるようサポートしてくれます。

2.習熟

いざRevitを導入しても、現場が活用できなければ意味がありません。そこでBoot.oneではサンプルモデルやサンプル図面・ガイドラインといったわかりやすいガイドラインを用意することで、現場がスムーズに使えるようサポートしてくれます。

さらにトレーニングビデオやヘルプデスクがあり、建築篇、MEP篇、施工篇の3カテゴリーでの操作学習ができます。「人材を育てる余裕がない」という企業には、特にありがたい機能です。

3.複雑

Revitはコマンドが豊富な点が魅力ですが、その多さに混乱する人も少なくありません。しかしBoot.oneを使えば、複数のコマンドを使用する作業を1つのコマンドで実行できます。

Revitは自由度が高いツールですが、その分コマンドが多く初心者は戸惑いがちです。そこでBoot.oneのようなアドインツールを活用することで、初心者も困惑せず活用できるようになります。

リリース後のBoot.oneの進化

Boot.oneは2019年にリリースされ、すでに2年以上が経過しました。その後もユーザーの声を元にアップデートを重ねており、進化し続けています。過去に行った改善と、今後のロードマップについてご紹介します。

Boot.oneのロードマップ

https://www.archifuture-web.jp/magazine/660.html

Boot.oneはユーザーのリクエストを形にすることで、以下のような改善を行ってきました。(※4)

年月アップデート
2019年7月意匠版ファーストリリース
2019年9月構造・躯体版リリース
2019年12月リクエスト対応リリース
2020年8月英語版リリース
2020年8月Revit MEP版リリース
2020年8月Revit 仮設版リリース
2020年10月断面リスト対応版リリース
2020年11月施工ツールファーストリリース
2021年1月meP衛生設備機能追加
2021年3月リクエストボード対応 第1弾

Boot.oneは2リリースから改善を続けており、英語版やMEP版、仮設版など機能をどんどん拡張しました。2021年3月からはユーザー向けのご意見箱である「リクエストボード」で集めた要望に対応しており、時にはヘルプデスクに来た電話問い合わせまで含んでいます。

そして2022年、Boot.oneはRevit2022対応やmEp電気設備機能(幹線)、Revit 2022 対応Boot.one仮設など様々な新機能を控えています。今後もみんなが使えるBIM」を目指し、開発を進めていくでしょう。

Boot.oneのロードマップについて、詳しくは公式サイトのROADMAP

https://tobim.net/bootone/roadmap)をご参照ください。

Boot.oneを活用して次のステップへ進んでもらいたい

Boot.one開発の中心人物である高取氏はインタビューにおいて、本格的なデータ活用時代に向け、ぜひデータの活用を考えてほしいと話しています。(※5)

まだまだ建築業界では2D図面が主流であり、すでに東南アジアでも日本より進んでいる国が出てきています。高取氏は、「このままでは日本がBIMに遅れてしまう恐れがある」と警鐘を鳴らしているのです。

2019年3月20~5月17日の期間で開催されたある調査では、「BIMを導入済で活用中」と回答したのはわずか17.1%でした。「導入済だが未活用」と回答した企業は12.9%で、この2つを合計してもBIM導入率は約30%程度です。(※6)

そして「導入していないが興味はある」が26.5%、「導入予定なし・未定」が37.7%で、BIMを導入していない企業は60%を超えることも明らかになっています。2019年といえば新型コロナウイルス感染症が流行する前ですが、BIM元年である2009年から10年経っても、データ上ではBIMの導入が進んでいません。

BIMの導入が進まない背景には、「上層部が必要性を理解してくれない」「社内でノウハウがなく進め方がわからない」など様々な課題があるものです。しかしこのまま放置してしまうと、BIMの導入が進むライバルに先を越されかねません。

Boot.oneのような初心者に優しいアドインがあれば、社内でBIMに詳しい人材がいない企業も前向きになれるのではないでしょうか。Revitの導入を検討するなら、ぜひBoot.oneもチェックしてみてください。

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参照サイト
※1 https://www.kensetsunews.com/web-kan/574647
※2 https://bim-japan.com/japan.html
※3 https://www.ribc.or.jp/info/pdf/sprep/sprep65-03.pdf
※4 https://tobim.net/bootone/roadmap
※5 https://www.archifuture-web.jp/magazine/660.html
※6 http://www.kensetsu-plaza.com/kiji/post/31141
 [智子1]https://www.ribc.or.jp/info/pdf/sprep/sprep65-03.pdf
「※3 」について、このリンクは2009年発行文書のPDFですが、P25で「当社で BIM に取り組み始めたのは4年前のことである。」という記述を根拠として「BIMに取り組んだのは2005年」としています。

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