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Civil 3Dを使用した土量計算の手順|土量計算の概要と具体的な計算方法も解説

Autodesk社が提供しているCivil 3Dでは現況地形と計画地形の標高差から土量を算出できます。しかし、どのような手順で土量計算ができるのか把握できていないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では、Civil 3Dにおける土量計算および土量に関する操作の手順を分かりやすく解説します。土木工事や造成工事などで土量を計算しなければならない方はぜひ参考にしてください。

この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.土量計算の概要
2.Civil 3Dを使用した土量計算などの手順

Civil 3Dでできる土量計算とは

土量計算とは土の採掘や盛土を行う土木工事や造成工事などの際に必要になる計算です。土量は土を掘り返したり、盛土の際に機械で固めたりすると変化します。一般的に土の状態は次の3つのパターンに分けられます。

・地山土量
・ほぐした土量
・固めた土量

地山土量とは山にある自然な状態の土です。土の状態によって地山土量と採掘や盛土時にほぐした土量および固めた土量の体積は変動します。ほぐした土量の体積は増加し、固めた土量の体積は減少するのが一般的です。

土量計算では地山土量を1.0と定義し、ほぐした土量や固めた土量の体積比を計算します。土量の体積比を土量変化率と呼びます。3つのパターンの土量計算を適切に行うことで、残土量の軽減を図り、経済的な工事を実施可能です。

土量計算における土量変化率の計算例を挙げると、地山土量が100立方メートルの土をほぐした後、土量が120立方メートルになりました。土量変化率は1.2です。盛土により、固めた土量が80立方メートルに変動した場合、地山土量に対する土量変化率は0.8になります。

Civil 3Dにおける土量計算などの手順

Autodesk社が提供しているCivil 3Dでは自動的に土量を計算可能です。手動で計算した場合、人的な計算ミスが発生するリスクが想定されます。一方Civil 3Dでは自動で計算できるため計算ミスのリスクを懸念する必要はありません。

ここでは、Civil 3Dを使用した土量計算の手順や土量計算に関する操作の手順をみていきましょう。次の操作の手順を詳しくみていきます。

・土量計算の手順
・解析用に土量サーフェスを追加する手順
・解析用に境界領域を追加する手順
・土量レポートの生成手順

土量計算の手順(*1)

Civil 3Dでは複合法と呼ばれるAutodesk社独自の計算方法を用いて、現況地形と計画地形の標高差から土量を計算できます。計算手順は次のとおりです。

1.ツール「プロスペクター」のタブから「サーフェス」をクリック
2.「サーフェスを作成」を選択
3.ダイアログボックス「サーフェスを作成」が画面上に現れる
4.ダイアログボックス内の「タイプ」を「TIN土量サーフェス」にする
5.「基準サーフェス」の項目に現況地形を指定し、「比較サーフェス」に計画地形を指定
6.土量サーフェスをクリックし、「サーフェスプロパティ」内のタブ「統計情報」をチェックする
7.「土量」に「切土量」および「盛土量」が表示される

切土と盛土を視覚的に見やすくするためには、タブ「解析」にある「土量とマテリアル」パネルから「土量ダッシュボード」をクリックしましょう。

解析用に土量サーフェスを追加する手順(*2)

「土量ダッシュボード」に追加でサーフェスを作成する方法は2通りあります。2つの手順をみていきましょう。

【「土量ダッシュボード」で新しい土量サーフェスを作成する手順】
1.タブ「解析」にあるパネル「土量とマテリアル」から「土量ダッシュボード」を選択
2.「新しい土量サーフェスを作成」を選択
3.ダイアログボックス「サーフェスを作成」が現れるため、土量サーフェスをセットアップし、「OK」をクリック

【「土量ダッシュボード」に既存の土量サーフェスを追加する手順】
1.タブ「解析」にあるパネル「土量とマテリアル」から「土量ダッシュボード」を選択
2.「土量サーフェスを追加」を選択
3.追加したい土量サーフェスをクリックし、「OK」をクリック

「土量ダッシュボード」から追加した土量サーフェスの総土量グラフやレポート、切土および盛土の数値などを確認できます。確認するためには、「土量ダッシュボード」のそれぞれの項目にチェック欄があるため、チェックをオンにしましょう。

解析用に境界領域を追加する手順(*3)

土量サーフェスの追加後、境界を定義づけるために境界領域の追加が可能です。境界領域の追加手順をみてみましょう。

1.タブ「解析」にあるパネル「土量とマテリアル」から「土量ダッシュボード」を選択
2.「土量ダッシュボード」で土量サーフェスをクリック
3.「領域土量を追加」を選択
4.図面上で境界を選ぶ

境界として選択可能なものは次のとおりです。

・ポリライン、3Dおよび2Dポリライン
・区画線
・計画線
・円
・楕円
・測量図形
・区画

追加した土量サーフェスと同様に境界領域も総土量グラフやレポート、切土および盛土の数値を土量ダッシュボードで確認できます。また、テーブル「境界」をクリックすることで境界の再選択や境界領域のブレークラインの中央縦距の指定が可能です。図面上から境界オブジェクトが削除された場合、対象となる境界領域のダッシュボード内の項目も削除されるため注意が必要です。

土量レポートの生成手順(*4)

土量レポートは「土量ダッシュボード」から生成可能です。生成手順をみてみましょう。

1.タブ「解析」にあるパネル「土量とマテリアル」から「土量ダッシュボード」を選択
2.「土量ダッシュボード」でレポートとして生成したい土量サーフェスおよび境界領域を選択する
3.対象となる土量サーフェスおよび境界領域にチェックを入れる
4.「切土/盛土レポートを生成」を選択

レポートのスタイルシートの既定場所とファイル名は次のとおりです。

既定場所C:¥ProgramData¥Autodesk¥C3D <バージョン>¥jpn¥Data¥Cut Fill Report¥
ファイル名CutFillReport.xsl

なお、レポートは全て英語表記で生成されます。事前にレポート内の英語表記を確認しておきましょう。

英語表記意味
Name対象の土量サーフェスの名前
Cut切土量
Fill盛土量
Cut Factor切土係数
Fill Factor盛土係数
2d Areaサーフェスの平面面積
Net土量

まとめ

Civil 3Dにおける土量計算など土量に関する操作手順を解説しました。土量計算は採掘や盛土の際に変動する土の体積変動を計算する手法です。正確に土量計算を行うことで、土木工事や造成工事を経済的に遂行できるでしょう。

Civil 3Dでは現況地形と計画地形の2種類から正確な土量を計算することが可能です。土量計算の手順とともに、土量計算の結果をチェックできるレポートの生成方法も把握しておくとよいでしょう。土木工事や造成工事などで正確な土量を算出したい場合、Civil 3Dの土量計算の機能の活用を検討してみてください。

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*3

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https://help.autodesk.com/view/CIV3D/2024/JPN/?guid=GUID-040A33A4-BC45-460D-93B7-36413BF4AD60

*4

「Autodesk Civil 3D 2024|[土量ダッシュボード]から土量レポートを生成するには」

https://help.autodesk.com/view/CIV3D/2024/JPN/?guid=GUID-0706E21F-6E3A-4CA1-A756-11E4516C6D98

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