Civil 3Dでソリッドからサーフェスに変換する方法は?効率的な使い方を解説
Civil 3Dは高度な3Dモデリングを土木建設の分野に取り入れることのできる、優れた製品です。日本におけるBIM/CIM活用の要ともなっているこのソフトでは、一つ一つの使い方を正しく覚えることで、優れた成果を期待できるでしょう。
この記事では、Civil 3Dを使ってソリッドモデルからサーフェスモデルに変換する方法について解説しながら、さらに効率よくソフトを使うためのポイントも紹介します。
目次:
- Civil 3Dのソリッドモデルについて
- Civil 3Dのサーフェスモデルの概要
- Civil 3Dのメッシュモデルの特徴
- なぜCivil 3Dでサーフェスモデルを作成する必要があるのか
- Civil 3Dでソリッドからサーフェスにモデルを変換する方法
Civil 3Dのソリッドモデルについて
ソリッドモデルとは、一言で言えば体積を伴う3Dモデルのことです。
現実の構造物は単に立体的な形状をしているだけでなく、そこには重さや密度といった、中身の要素が伴います。
ソリッドモデルは、そんな現実の立体物の要素を、画面の中でも再現するための3Dモデルです。全ての面は閉じられており、内部と外部が隔絶され、重さに加え、重心の概念を有しています。
また、ソリッドモデルに材質のような属性を指定することで、正確にモデルの質量を計算するなどして、シミュレーションにかけたりも可能です。
Civil 3Dのサーフェスモデルの概要
サーフェスモデルは、ソリッドモデルとは違い、面だけで構成された3Dモデルです。実際の構造物とは異なり、中身を伴わず外観のみ立体的であるため、ソリッドモデルのように外側と内側が完全に分離されている必要がありません。
また、サーフェスモデルは面にも厚さの概念がなく、常にゼロであることも特徴です。通常、どれだけ薄いものにも厚さの概念があるものですが、サーフェスモデルでは便宜上視覚的に面が存在しているだけで、その数値はゼロです。
したがって体積や密度の概念もないため、空気のような存在とも言えるでしょう。
ただ、サーフェスモデルにも面の概念は存在するので、表面積を計算することは可能です。
Civil 3Dのメッシュモデルの特徴
ソリッドモデルやサーフェスモデルとは別に、メッシュモデルと呼ばれる概念も存在します。メッシュモデルは、ワイヤーフレームのみで3Dモデルを表現する方法です。
メッシュモデルは見た目こそ立体的な形状をしていますが、体積はもちろん、面の概念も存在しない、文字通り骨組みだけの存在です。
とはいえ、ソリッドモデルはもちろん、サーフェスモデルよりもはるかにデータとして軽量であるため、活躍機会は決して少なくありません。
なぜCivil 3Dでサーフェスモデルを作成する必要があるのか
ソリッドモデルもサーフェスモデルも、一見すると同じようなビジュアルを備えているため、わざわざ2つを使い分ける必要はありません。ソリッドモデルとサーフェスモデルが混在すると、質量や重心の計算ができず、不便を被ることもあるでしょう。
そのため、全ての工程を現実の構造物に条件が近いソリッドモデルで行いたいと考える人もいるかもしれませんが、ソリッドモデルの不便なところはそのデータの大きさにあります。
ソリッドモデルは常に体積などのデータも計算しているため、サイズが大きくなったり、複雑化したりするとデータ量も大きくなってしまいます。プロジェクトの規模が大きくなると、手元のマシンではパフォーマンスが低下することも懸念されます。
そこで活用したいのが、サーフェスモデルです。サーフェスモデルには体積の概念がなく、面だけで機能するので、データはソリッドモデルに比べて軽くなります。
特別体積の計算やシミュレーションが必要でない限りは、サーフェスモデルを活用することで、日々の業務を円滑に進めることができるでしょう。
Civil 3Dでソリッドからサーフェスにモデルを変換する方法
Civil 3Dを使ってソリッドモデルをサーフェスモデルに変換する場合、以下の方法が代表的な手法として知られています。シチュエーションに応じて効果的な方法が異なるため、覚えておくと良いでしょう。
一般的なCivil 3Dでのソリッドからサーフェスへの変換方法
Civil 3Dを使ってソリッドモデルをサーフェスモデルへ変換する場合、まずは3Dソリッドを3Dの面に分解し、上面や下面といったソリッドを手動で選択した後、サーフェス定義に追加する必要があります。
Civil 3Dでは自動的に3Dソリッドモデルのサーフェスを認識する機能がないため、マニュアルで定義しなければなりません*1。
その後[サーフェスプロパティ]を展開し、[統計]タブから[拡張]を選びます。するとサーフェス領域が表示されます。
また、3Dソリッドによっては構造部の上部と下部からコリドーを作成することで、コリドーサーフェスを作ることもできます。その際、専用のプラグインが必要になるのであらかじめダウンロードしておきましょう。
Revitで作成したソリッドモデルをCivil 3Dでサーフェスモデルに変換する方法
Civil 3Dでは、Revitで作成したソリッドモデルをCivil 3D上でサーフェスモデルに変換することができます。
Revitを使用してモデルを作成すると、そのファイルはRVT形式で保存されます。Civil 3Dでそのモデルのサーフェスを呼び出したい場合、Revit上ではファイルをDWG形式でポリゴンメッシュとして書き出しましょう。
ここで使用できるのが、TINサーフェスに特定の面を追加する方法です。サーフェスに変換したい3Dソリッドモデルを選択し、コマンド[_explode]を入力します。それから目的のリージョンを選択したら、コマンド[_convtomesh]を選び、作成したメッシュを選択しましょう。
再度コマンド[_explode]を入力したら、ソリッドモデルの面をTINサーフェスに追加可能です。
まとめ
この記事では、Civil 3Dを使ったソリッドモデルをサーフェスモデルに変換する方法について解説しました。
Civil 3Dは多くの情報を処理するため、可能な限りサーフェスモデルを活用し、負荷の小さい作業環境を整えることが重要です。ソリッドモデルからサーフェスモデルへはワンタッチで変換できるわけではありませんが、手順を踏むことで実行できます。
ソリッドモデルからサーフェスモデルへの変換方法を理解し、スムーズな作業を実現しましょう。
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