Engineer’s Studioを始めるならこれを見て!コース選択や必要スペック理解が出来る完全ガイド
はじめに
現代の建築・土木設計において、ソフトウェアの使用は必須となっています。特に、構造解析やシミュレーションを効率的に行うためのツールとして、Engineer’s Studioは多くの専門家に支持されています。このソフトウェアは、直感的な操作性と優れた学習支援機能を備えており、初心者からプロフェッショナルまで幅広く利用されています。また、設計の精度を高めるために、PCのスペックは重要な要素です。この記事では、Engineer’s Studioを快適に使用するために必要である自身の使用目的をしっかりと理解した上での選択や必要なPCスペックを詳しく解説し、最適なPC選びの手助けとなる情報を提供します。
Engineer’s Studioとは?
直感的な操作性と学習支援
Engineer’s Studioは、建築・土木設計の初心者に特におすすめのソフトウェアです。操作性が非常に直感的であり、初めて使用する人でもすぐに基本的な機能を習得できます。ユーザーインターフェースはシンプルで分かりやすく、複雑な操作が必要な場面でも容易に理解できるように設計されています。このソフトウェアは、学習を支援するための豊富なリソースを提供しており、自主的な学びを後押しします。例えば、オンラインチュートリアルやサポートフォーラムが充実しているため、わからないことがあってもすぐに解決策を見つけることができます。これにより、効率的な学習環境が整い、設計者は技術的なスキルを短期間で習得することが可能です。このような特徴から、Engineer’s Studioは設計の基盤を築くための強力なツールとして、多くの教育機関でも利用されています。
主な機能とアプリケーション
Engineer’s Studioは、多様な機能を持つ建築・土木用ソフトウェアです。構造計算やシミュレーション、3Dモデリングなど、設計のあらゆる段階で活用できる優れたツールを提供しています。特に、複雑な建築物の荷重や振動を解析する構造計算機能は、精度の高い設計をサポートします。また、シミュレーション機能により、地震や風荷重の影響を事前に検証することが可能です。図面作成と3Dモデル化機能を使えば、設計図を直感的に作成し、3Dモデルでプロジェクトを視覚化することができます。これにより、設計の確認やプレゼンテーションが容易になり、業務の効率化が図れます。これらの機能を駆使することで、設計者はより現実的で精度の高いプロジェクトを推進できるのです。
Engineer’s Studioの製品構成
それぞれのコースに入っているオプションとその用語解説を以下のように表にまとめてみました。
Engineer’s Studio® Ver.11
Ultimate | Advanced | Lite | Base | |
Engineer’s Studio ベース | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
固有値解析オプション | 〇 | 〇 | ||
動的解析オプション | 〇 | 〇 | ||
M-φ要素オプション | 〇 | 〇 | ||
非線形ばね要素オプション | 〇 | 〇 | ||
ファイバー要素オプション | 〇 | 〇 | ||
幾何学的非線形オプション | 〇 | 〇 | ||
平板要素オプション | 〇 | 〇 | 〇 | |
前川コンクリート構成則オプション | 〇 | |||
活荷重一本棒解析オプション | 〇 | 〇 | 〇 | |
土木構造二軸断面計算(旧基準)オプション | 〇 | 〇 | 〇 | |
鋼製部材ひずみ照査オプション | 〇 | 〇 | ||
道路橋残留変位照査オプション | 〇 | 〇 | ||
ケーブル要素オプション | 〇 | |||
土木構造二軸断面計算(部分係数法・H29道示対応)オプション | 〇 | |||
軸力変動オプション | ||||
Engineer’s Studio Section | 同梱 | 同梱 |
製品構成 | 用語解説 |
Engineer’s Studio ベース | 構造設計や解析を行うためのソフトウェアの基本機能で、建物や橋梁の安全性や耐震性能を検証するための土台となるツールです。 |
固有値解析オプション | 構造物の振動特性(固有振動数や振動モード)を解析する機能で、耐震設計や振動対策に役立ちます。 |
動的解析オプション | 地震や風などの動的荷重に対する構造物の応答を解析する機能です。 |
M-φ要素オプション | 部材の曲げモーメント(M)と曲率(φ)の関係をモデル化し、非線形挙動を解析できる機能です。 |
非線形ばね要素オプション | 部材の非線形的な変形や力学挙動をモデル化し、現実的な挙動を解析するための機能です。 |
ファイバー要素オプション | 部材断面を繊維(ファイバー)に分割し、材料の非線形挙動を詳細に解析できる機能です。 |
幾何学的非線形オプション | 大変形や座屈を含む構造物の挙動を解析するための機能です。 |
平板要素オプション | 板状構造物(床や壁など)の応力や変形を解析するための機能です。 |
前川コンクリート構成則オプション | コンクリートの非線形材料特性(ひび割れや圧縮破壊など)をモデル化し、詳細な挙動を解析するための機能です。 |
活荷重一本棒解析オプション | 活荷重を単一の棒状モデルで簡易的に解析し、構造物の応答を効率的に評価する機能です。 |
土木構造二軸断面計算(旧基準)オプション | 旧設計基準に基づき、二軸方向の応力や断面性能を計算するための機能です。 |
鋼製部材ひずみ照査オプション | 鋼製部材のひずみを基に安全性や性能を評価するための機能です。 |
道路橋残留変位照査オプション | 地震後の道路橋の残留変位を解析し、耐震性能や復旧性を評価するための機能です。 |
ケーブル要素オプション | ケーブル構造特有の挙動(張力やたるみ)を解析するための機能です。 |
土木構造二軸断面計算(部分係数法・H29道示対応)オプション | 平成29年の道路橋示方書に基づき、部分係数法を用いて二軸方向の断面性能を計算するための機能です。 |
軸力変動オプション | 構造物の軸力が変動する場合の挙動を解析し、設計や安全性の評価に役立てる機能です。 |
Engineer’s Studio Section | 構造物の断面性能を計算する専用ソフトウェアです。部材断面の断面力や応力分布、耐荷性能を詳細に評価し、構造設計や解析に役立てます。 |
Base: 基本機能と価格
Engineer’s Studio Baseは、基礎的な構造設計や解析に特化した高性能ソフトウェアです。価格は385,000円(税抜350,000円 ※注:記事作成時点)で、2次元および3次元のモデルを直感的に作成できます。静的解析や動的解析など、多彩な解析機能を備えており、荷重設定や境界条件の適用が簡単です。また、実際の構造挙動をシミュレーションするために地震や風荷重を考慮した解析も可能で、短時間で正確な結果を得ることができます。この信頼性の高いソリューションは、設計者が耐震設計や性能評価を行う上で欠かせないツールとなっています。操作性に優れたインターフェースにより、初心者でも簡単に扱えるのが特徴です。
Lite: 追加機能と価格
Engineer’s Studio Liteは、Base製品の機能にさらに多様な解析オプションを追加した製品です。価格は572,000円(税抜520,000円 ※注:記事作成時点)で、より広範な解析ニーズを満たす設計者に最適なソリューションです。平板要素オプションにより、床や壁といった板状構造物の応力や変形解析が可能です。また、活荷重一本棒解析オプションを活用すれば、活荷重の影響を効率よく評価できます。これに加え、土木構造の二軸断面計算(旧基準)オプションにも対応しており、旧基準に基づく二軸方向の断面性能評価を実施可能です。これらの追加機能により、設計者はより柔軟で高度な解析を行え、多様なニーズに対応した設計が可能となります。
Advanced: 高度な機能と価格
Engineer’s Studio Advancedは、Lite製品の機能をさらに拡張し、複雑な解析ニーズに対応するための製品です。価格は1,100,000円(税抜1,000,000円 ※注:記事作成時点 )で、幾何学的非線形解析やファイバー要素などの高度なオプションを搭載しています。大変形や材料の非線形挙動をリアルに再現可能で、より現実的な構造挙動を詳細にシミュレーションできます。また、固有値解析や動的解析機能を用いることで、構造物の振動特性や地震応答を精密に評価できます。これらの先進機能により、設計者は要求の高い構造設計に自信を持って取り組むことができ、複雑なプロジェクトにも柔軟に対応できます。
Ultimate: 最上位モデルの特徴と価格
Engineer’s Studio Ultimateは、最も高度な解析機能を備えた製品で、価格は2,310,000円(税抜2,100,000円※注:記事作成時点)です。前川コンクリート構成則を搭載し、コンクリートの非線形挙動を精密にシミュレーションできます。さらに、道路橋の残留変位を評価する機能により、地震後の性能や復旧性を的確に把握可能です。さらに、ケーブル要素解析や最新の土木基準に対応した二軸断面計算機能を提供し、特殊構造や高度な設計要件にも柔軟に対応します。これらの先進的な機能が、現実的かつ信頼性の高い解析を実現し、設計者の創造力を最大限に引き出します。Ultimateモデルは、あらゆる解析ニーズを満たし、最高水準の設計・解析を可能にする究極のソリューションとして、多くのプロフェッショナルに支持されています。
Engineer’s Studioを使うメリット
業務効率化とコスト削減
Engineer’s Studioを使用することによって、業務効率の向上とコスト削減が可能です。直感的な操作性を活かして、作業時間を大幅に短縮できるため、時間のかかる設計プロセスを効率的に進めることができます。これにより、複数のプロジェクトを並行して管理する際のストレスを軽減し、生産性を向上させることができます。また、設計ミスを未然に防ぐことができるため、修正作業にかかる時間とコストを削減できます。このように、Engineer’s Studioは設計者にとって非常にコストパフォーマンスの高いツールであり、業務全体の効率化を実現します。
設計の信頼性と精度の向上
Engineer’s Studioを活用することで、設計の信頼性と精度を大幅に向上させることができます。構造計算やシミュレーション機能が充実しているため、設計者はより正確なデータを基に、現実に即した設計を行うことが可能です。例えば、地震や風荷重の影響を事前に解析し、最適な設計を導き出すことができます。この結果、設計の安全性が高まり、構造物の耐久性も向上します。さらに、設計の誤りを減らすことで、プロジェクト全体の信頼性が向上し、クライアントからの信頼を獲得することができます。このように、Engineer’s Studioは、高精度な設計を実現するための強力なツールとして、多くの設計者に利用されています。
柔軟な設計環境での利用可能性
Engineer’s Studioは、初心者からプロフェッショナルまで、幅広いユーザーに柔軟な設計環境を提供します。豊富な機能とカスタマイズ可能な設定により、様々な設計ニーズに対応できるのが特徴です。新規プロジェクトの立ち上げから、既存プロジェクトの拡張まで、あらゆる段階で効率的に活用することができます。また、多様な建築物や土木構造物の解析を行えるため、設計者は独自のアイデアを具現化しやすくなります。さらに、強力なシミュレーション機能を使えば、設計案を迅速に評価し、最適化できるため、プロジェクトの成功確率を高めることができます。結果として、Engineer’s Studioは、設計者のクリエイティブな思考を支援し、理想の設計を実現するための柔軟なプラットフォームです。
推奨スペックの紹介
最低要求スペック
OS | Windows 10 / 11 (64bit OS) |
CPU | インテル® i5-3470,i7-3770以上、もしくは同等の性能のもの (推奨 CPUクロック 3.2GHz、クアッドコア以上) |
必要メモリ(OSも含む) | 推奨4GB RAM以上(解析モデルや解析ステップにより異なります) |
必要ディスク容量 | インストールには約600MB以上計算時は数MB~数十GBを必要とします。 解析モデルや解析ステップに依存します。 |
ディスプレイ(画面解像度) | 1280×800以上、色数32bit画面のプロパティは標準のフォントサイズ、 DPI設定は通常のサイズ(96)でご使用下さい。 |
ビデオカード | OpenGL 3.3以上搭載メモリが4GB以上の「NVIDIA® GeForce® シリーズ」 Intel® HD Graphics 4000シリーズ以上 |
入力データ拡張子 | es、esx |
ファイル出力 | 入力データのみ:ES 結果付きデータ:ES+フォルダ F8出力編集ツール対応:TXT、HTM、 PPF、DOC、 DOCX、PDF、 JTD、JTDC |
他製品との連動 | <読込> Engineer’s Studio®(面内) UC-win/FRAME(3D) UC-1/FRAME(面内) SDNFファイル(Steel Detailing Neutral File : 鋼構造の業界標準ファイル形式) (SDF) SI対応版 F8旧製品データ($o1) 加速度ファイル(テキスト)(ACC) <保存> UC-win/Section SDNFファイル(Steel Detailing Neutral File : 鋼構造の業界標準ファイル形式) (SDF) |
備考 | 本製品は3次元グラフィックス処理のためにOpenGLを使用していますので、OpenGL 3.0以上の機能をフルサポートしているカードが必要です。 |
推奨スペック
より快適にEngineer’s Studioを使用するためには、推奨されるPCスペックを備えていることが理想的です。プロセッサはIntel Core i7以上、またはそれに相当するAMD製のものが推奨されます。16GB以上のRAMを搭載することで、複数の作業を同時に行う際のパフォーマンスが向上します。グラフィックスカードについては、NVIDIA GeForce GTX 1060以上またはAMD Radeon RX 580以上のものが推奨され、高解像度の3Dモデリングやシミュレーションがなめらかに行えます。ストレージには1TB以上のSSDを用意することで、データの読み込み速度が向上し、より快適な作業環境を実現します。また、ディスプレイはフルHD以上の解像度を持つものを選択することで、細かな設計の確認が容易になります。これらの推奨スペックを満たしたPCを使用することで、Engineer’s Studioの全ての機能を効率よく活用し、快適な作業環境を整えることができます。
まとめ
この記事では、Engineer’s Studioの魅力について詳しく解説してきました。このソフトウェアは、初心者でも高度な建築・土木設計を行うことができるように設計されており、直感的な操作性と豊富な学習支援機能がその大きな魅力です。さらに、多様な機能を活用することで、業務の効率化や設計の精度向上が期待でき、設計者のクリエイティビティを最大限に引き出すことができます。これにより、初心者でもプロフェッショナル並みの設計が可能となり、実務に即した知識と技術を効率的に身につけることができます。
Engineer’s Studioを最大限に活用するためには、ソフトウェアの動作に適したPCを選ぶことが重要です。特に推奨スペックを満たしたPCを使用することで、ソフトウェアの持つ全ての機能を遺憾なく発揮することができ、設計者の業務をさらに効率化することが可能です。また、適切なPC環境を整えることによって、設計の精度や信頼性が向上し、迅速なプロジェクト遂行が可能となります。特に、初心者にとっては適正なPC選びが学習速度を左右し、スキル習得の鍵となります。したがって、PCのスペックを理解し、最適な選択をすることが、建築・土木設計の成功への第一歩となるでしょう。
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参考文献
・製品情報『Engineer’s Studio』
https://www.forum8.co.jp/product/ucwin/ES/EngineersStudio-1.htm