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ArcGIS Pro Plusの価格はいくら?通常版との違いを解説

1. はじめに

企業で地理情報システム(GIS)の導入を検討するとき、必ず悩むのが「どのライセンスを選ぶべきか」という点です。特に ArcGIS Pro と、その上位にあたる ArcGIS Pro Plus(正式名称:Professional Plus ユーザータイプ) の違いは、多くの方が気になるところではないでしょうか。

中規模企業のIT部門であれば、導入コストや運用のしやすさを踏まえつつ、「どの程度の分析機能が必要か」「クラウドとの連携をどこまで活用するか」を見極めることが大切です。

本記事では、ArcGIS Pro Plusの価格やライセンス形態、通常版(ArcGIS Pro)との違いを、できるだけわかりやすい言葉で解説します。さらに、サブスクリプション契約の仕組み、複数拠点での利用、教育機関向け割引など、導入判断に役立つ具体的な情報もまとめました。これから導入を検討する方の参考になれば幸いです。

2. ArcGIS Pro Plusとは何か?

引用:https://pro.arcgis.com/ja/pro-app/latest/get-started/get-started.htm

本記事では便宜的に「ArcGIS Pro Plus」と表記しますが、Esri公式の正式名称は「Professional Plus ユーザータイプ」です。これは、ArcGIS Pro Advanced に加えて主要なエクステンション(Spatial Analyst、3D Analyst、Network Analyst、Geostatistical Analyst、Image Analyst、Data Reviewer、Publisher など)を標準で含み、さらに ArcGIS Online や ArcGIS Enterprise と統合して利用できるライセンス体系を指します。

ArcGIS Pro Plusは、Esri社が提供するデスクトップGIS「ArcGIS Pro」をベースに、豊富な拡張機能やクラウド連携を標準で備えた上位版です。高度な3D解析や地理空間データの統計処理、ArcGIS Onlineとの統合があらかじめ組み込まれているため、組織全体で空間データを効率的に共有・活用できる点が大きな特長です。

通常版のArcGIS Proでも地理情報の編集や分析といった基本機能は利用できますが、ArcGIS Pro Plusは複数の拡張機能をパッケージ化して提供しているため、追加購入せずに高度な作業まで行えるのが強みです。これによりGISの専門家はもちろん、初心者や一般の利用者でも幅広い業務に活用できる環境を整えることができます。

特に、複数拠点を横断した地図共有や大規模な空間解析を必要とする企業・自治体にとって有効であり、さらにEsriが提供する最新サービスをタイムリーに利用できるため、クラウドを活用した共同作業やデータ管理の効率化を実現しやすくなっています。

2.1. ArcGIS Proの基本概要

ArcGIS Proは、現在もっとも広く利用されているデスクトップGISのひとつで、地図の作成や編集、空間データの解析、ビジュアライゼーションなど、GISに求められる主要な機能を幅広くカバーしています。

具体的には、位置情報を含むデータベースと連携してマップを描画し、分析結果をわかりやすく可視化することが可能です。たとえば道路や土地利用の情報を重ね合わせることで、交通経路の最適化や災害対策のシミュレーションといった実務的な活用ができます。

ArcGIS Proのライセンスは、通常「Basic」「Standard」「Advanced」の3種類に分かれています。ライセンスのグレードが上がるほど利用できる機能が拡張され、さらにオプションとしてエクステンションを追加購入することで、ネットワーク解析や3D分析など高度な機能を組み合わせて使うこともできます。

2.2. ArcGIS Pro Plusの特徴と利点

ArcGIS Pro Plusの最大の魅力は、多くのエクステンションが最初から含まれている点にあります。たとえば3Dアナリストやネットワークアナリスト、地球統計解析などを追加費用なしで利用できるため、複雑な解析作業もワンストップで進められます。

また、ArcGIS Onlineとの統合が強化されており、クラウド上でプロジェクトを管理したり、オンラインマップを拠点間で共有したりする作業がスムーズです。リモートワークや出張が多いチームにとって、現場とオフィスを結ぶ新しいワークフローを実現できるのは大きな利点です。

さらに、サブスクリプション契約を通じて常に最新バージョンが提供されるため、契約期間中であれば機能追加やアップデートを継続して受けられます。これにより、最新のEsriサービスを取り入れながら、組織全体で安定したGIS環境を維持できる点も大きなメリットといえるでしょう。

3. ArcGIS Pro Plusの価格体系

ArcGIS Pro Plusは、年間契約を前提としたサブスクリプション型ライセンスです。公式に提示される料金は「1ユーザー/1年」が基本で、月額単位の価格は公開されていません。契約期間中は、常に最新バージョンへのアップグレードや保守サポートが含まれるため、追加費用を気にせず安心して利用できます。

ArcGIS Proのライセンスは、基本的に指定ユーザー(Named User)方式で管理されます。従来の「Single Use(SU)」「Concurrent Use(CU)」は、ArcGIS Desktopを経由して取得したArcGIS Proライセンスに限って利用可能であり、ユーザータイプ(Creator/Professional/Professional Plus)に付属するArcGIS ProのNamed Userライセンスは、SUやCUに切り替えることはできません。

3.1. ライセンスオプションと参考価格

以下は、Esri公式サイトおよび代理店が公開している参考価格(2024年7月時点)です。

ユーザータイプ価格(年額・税別)備考
Creator180,000円ArcGIS Pro Basic 相当(公式価格)
Professional要問い合わせArcGIS Pro Standard 相当(代理店参考:720,000円)
Professional Plus要問い合わせArcGIS Pro Advanced+主要拡張機能同梱(代理店参考:1,080,000円)

※ Creator(180,000円)はEsri Japanが公式に公開している価格です。一方、ProfessionalおよびProfessional Plusの価格は公式には非公開であり、代理店(大塚商会など)が目安として上記金額を案内しています。実際に導入する場合は、利用規模や契約条件によって変動するため、必ず見積もりを取る必要があります。
引用:https://www.cadjapan.com/products/items/arcgis_desktop/price.html

3.2. 教育機関向け割引

教育機関向けには「アカデミックパック」と呼ばれる特別な契約形態が用意されており、GIS Professional Plusユーザータイプを含んだパッケージを割安で導入できます。一般企業ライセンスと比べて大幅に割引されており、研究室単位や学部全体で導入するケースも多く見られます。また、契約の柔軟性が高く、大学や研究機関の利用計画に合わせたスキームを選べるのも特長です。

さらに教育機関には、学生向けの研修プログラムやトレーニング教材が提供される場合があり、学習コンテンツを活用することでコストを抑えつつ教育効果を高められます。副次的なメリットとして、学生が在学中にGISスキルを身につけることができ、その大学から将来のGIS人材が育つ点も大きな利点です。

導入を検討する際には、大学や研究室の規模、利用目的、研究内容などをEsriや代理店に伝えると、最適な導入プランを提案してもらえます。教育の現場だからこそArcGIS Pro Plusの価値が発揮される場面は多いため、早めに相談しておくことをおすすめします。

4. ArcGIS ProとArcGIS Pro Plusの機能比較

ArcGIS Pro(通常版)とArcGIS Pro Plusの違いは、主に拡張機能が標準で含まれているかどうか、そしてクラウドとの統合度合いにあります。通常版でも基本的なGIS機能は十分に備わっていますが、大規模な空間解析や高度な3Dモデリング、さらにデータサイエンス寄りの機能まで活用したい場合には、ArcGIS Pro Plusの方が圧倒的に便利です。

市販されている他のGISソフトと比べても、ArcGIS Pro Plusは総合的な機能の豊富さでトップクラスに位置づけられます。ただし、機能が充実している分、扱うデータ量が増えたり、利用者が多い組織では導入コストや運用管理の負担が大きくなる点も考慮する必要があります。

このセクションでは、両者の具体的な機能の違いを整理し、それぞれがどのような用途に適しているのかを見ていきます。自社に本当に必要な機能だけに投資するのか、それとも拡張機能を含めた統合ソリューションを導入するのかを判断する参考になるでしょう。

4.1. 基本機能と拡張機能の比較

ArcGIS Proの通常版は、Basicライセンスであっても地図の作成や編集、レイヤー管理といった基本操作は問題なく行えます。さらにStandardやAdvancedライセンスを選択すれば、データベースとの高度な連携やジオリレーションシップ解析など、より専門的な分析機能を強化できるのが特長です。

一方、ArcGIS Pro Plusは、こうした拡張機能の多くを最初からパッケージ化して標準搭載しています。例えば、従来であれば別途契約が必要だったSpatial Analystによる高度な空間解析も含まれており、GeoStatistical AnalystやNetwork Analystといった拡張も一括利用可能です。そのため、複雑な地理情報を扱う作業が格段に効率化されます。

結果として、プロフェッショナルなGIS分析を日常的に行う現場や、多角的なデータ解析を推進したい企業にとっては、ArcGIS Pro Plusに投資するほうがトータルでコストパフォーマンスが高い場合も少なくありません。

4.2. 3D解析とデータサイエンス機能

ArcGIS Pro Plusには、3D解析の代表的な拡張機能である「3D Analyst」が標準搭載されています。地形や建物を立体的に表現できるため、シミュレーションや可視化の精度が向上し、都市計画や複雑なインフラ管理などの分野で意思決定を支援する強力なツールとなります。

さらに、データサイエンス機能も大幅に拡張されており、大量の空間データから洞察を導き出すための解析環境が整っています。Pythonスクリプトや機械学習ライブラリとの連携が強化されているため、独自の分析ワークフローを設計しやすいのも魅力です。

これらの機能を駆使することで、マーケティング分析、物流の最適化、防災・危機管理といった幅広い領域で、他社との差別化につながる高度な分析が可能になります。もし3Dやデータサイエンスを本格的に取り入れるのであれば、ArcGIS Pro Plusの導入を検討する価値は非常に大きいでしょう。

5. ArcGIS Pro Plusを選ぶべきケース

ArcGIS Pro Plusは、強力な拡張機能とクラウド連携を兼ね備えているため、特定の業種や利用目的によっては欠かせない選択肢となります。ここでは、特にArcGIS Pro Plusならではのメリットを最大限に活かせるケースを紹介します。

たとえば、多拠点に拠点を構える企業や、グローバルに事業を展開している組織にとって重要なのは、オンラインでのスムーズなコラボレーションやエンタープライズ向けのサポート体制です。また、ArcGIS Pro Plusはカスタマイズ性が高いため、既存の社内システムや外部ソフトウェアと柔軟に連携させることも可能です。

自社の業務要件を整理したうえで、大容量データや複雑な解析を扱う場面が多い場合、あるいはチーム全体で分析結果を共有して作業効率を高めたい場合には、ArcGIS Pro Plusの導入を積極的に検討する価値があります。

5.1. クラウドとの連携が必要な場合

ArcGIS Pro Plusの大きな強みのひとつは、ArcGIS Onlineとの統合によるクラウド連携です。クラウドマップを利用すれば、現場作業員がタブレットやスマートフォンから直接最新の地理データを参照・更新でき、社外からのアクセスも容易になります。

さらに、クラウド上でプロジェクトを管理することで、データのバックアップやバージョン管理が効率化され、システム障害や災害時のリスク対策にも有効です。加えて、高度なセキュリティオプションが利用できるため、センシティブなデータを扱う際も利用権限やアクセス制御を厳密に設定できるのは大きな安心材料です。

もし社内サーバーに十分な余裕がない場合や、すでにクラウド環境で多くの業務システムを運用している企業であれば、ArcGIS Pro Plusを選ぶことで導入から運用までをスムーズに進められるでしょう。

5.2. 複数拠点での利用を考慮する場合

支社や作業現場が複数ある企業では、GISデータを常に最新化しながら一元管理することが欠かせません。ArcGIS Pro Plusでは、ArcGIS Onlineやクラウドストレージを活用し、各拠点のユーザーが同じ空間データへアクセスできる仕組みが整っています。

たとえば、ある拠点で更新した地図情報をリアルタイムで他拠点でも閲覧できるため、意思決定までの時間を大幅に短縮できます。また、ライセンス管理をネットワーク経由で行えるため、利用者数の増減やライセンス追加もスムーズに対応可能です。

複数拠点での利用においては、データ同期のスピードや管理コストが課題となりやすいですが、ArcGIS Pro Plusは大容量データの扱いに適した仕組みを備えており、導入後の運用で手間取るリスクを抑えられるのも利点です。

5.3. 高度な分析機能が求められる場合

ArcGIS Pro Plusの大きな魅力は、空間解析・ネットワーク解析・地球統計解析といった高度な分析ツール群を標準で利用できる点です。これらを活用することで、マーケット分析や交通計画、環境調査といった分野で、より精緻で戦略的な意思決定を行うことが可能となります。

具体例としては、営業エリアの最適化、物流ルートの効率化、災害リスク評価など、定量的なデータ解析を必要とするタスクに強みを発揮します。単なる地図表示を超え、ビジネスや社会的課題の解決を支援する分析が実現できるのです。

また、こうした高度な機能を社内で標準化することで、組織全体のデータ活用力が高まり、結果としてビジネス成果を大幅に向上させる効果も期待できます。日常的に新しい視点や高度な分析が求められる部署を持つ企業にとって、ArcGIS Pro Plusは非常に有力な選択肢となるでしょう。

6. まとめ

ArcGIS Pro Plusは、高度な拡張機能とクラウド連携を備え、幅広い業種や利用目的に対応できる強力なGISソリューションです。一方で、通常版のArcGIS Proも基本機能が充実しており、必要最低限の利用にとどめることでコストを抑えられる利点があります。

特に中規模企業のIT部門にとっては、導入前に「自社がどの程度GISを活用するのか」「将来的にどのような拡張が必要になりそうか」をしっかり把握することが重要です。長期的に見てArcGIS Pro Plusによる投資効果が大きいと判断できるなら、サブスクリプション契約を通して最新技術を取り入れつつ、柔軟な運用を実現できるでしょう。

導入を成功させるカギは、購入ガイドや代理店の見積もりを丁寧に比較し、必要なエクステンションやライセンス形式を正しく選ぶことです。

6.1. 選択のポイント

まず考えるべきは、「自社にとってGISをどの範囲で活用するのか」という点です。地図作成や基本的な解析が中心であれば通常版で十分対応できますが、3D解析や高度な空間アナリティクス、クラウド統合などを重視する場合は、最初からArcGIS Pro Plusを導入しておくと後々の拡張がスムーズです。

次に、「ライセンス費用と運用コストのバランス」も欠かせません。サブスクリプションは初期費用を抑えられる反面、長期利用では更新コストが積み重なります。そのため、どの程度の期間利用するのかを見据えて、ROI(投資対効果)を慎重に検討する必要があります。

さらに、「サポート体制やトレーニングの充実度」も重要です。運用段階で困ったときに支えてくれるヘルプデスクや研修プログラムがあるかどうかは、安定したGIS活用の成否を大きく左右します。その点で、エンタープライズ向けのサポートを備えるArcGIS Pro Plusは安心感があります。

6.2. 最適なプランの選定

最適なプランを選ぶためには、まずEsriの最新サービスや販売パートナーに相談し、自社の要件や今後の拡張計画を具体的に伝えることが効果的です。これにより、適切なライセンス形態や拡張機能をスピーディに提案してもらえるでしょう。

また、複数の見積もりを取り寄せて比較検討することも欠かせません。教育機関や大規模企業向けにはボリュームディスカウントや特別価格が適用されるケースもあり、タイミング次第では想定よりも低コストで高度なGIS環境を整備できる可能性があります。

最終的には、自社のニーズに合致し、運用コストやサポート面でもメリットを得られるプランを冷静に見極めることが大切です。ArcGIS Pro Plusを活用した先進的な地理情報技術の導入が、企業の競争力をさらに高める大きな一歩となることを期待しています。

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❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX

<参考文献>

ArcGIS Pro | ESRIジャパン製品 | ESRIジャパン

https://www.esrij.com/products/arcgis-pro/

ライセンス | ESRIジャパンArcGIS Pro | 製品 | ESRIジャパン

https://www.esrij.com/products/arcgis-pro/license/

ArcGIS ユーザー タイプ最新版のご紹介 | ESRIジャパン

https://www.esrij.com/landing-page/introducing-new-user-types/

ArcGIS Pro 価格(アークジーアイエス プロ 価格) | 製品情報 | CAD Japan.com(大塚商会)

https://www.cadjapan.com/products/items/arcgis_desktop/price.html

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