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Matterport Pro3 で何ができるのか。新しいデジタルツイン技術が建築業界にもたらすものとは。

Matterport(マーターポート)社は建築物のデジタル化とインデックス化に力を入れているベンチャー企業です。Matterport社の名前にもなっている Matterport という商品は建物や空間をスキャンすることで没入感のある3D空間モデルを生成することができます。
この記事では Matterport の概要と、2022年夏に新しく登場した Matterport Pro3 についてご紹介します。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります。
(1)Matterport とは
(2)Matterport Proとはなにか
(3)Matterport Pro3の機能

Matterport とは

まず初めに、Matterport とはどのようなものなのか、簡単に説明します。
Matterportの代表的な機能は次の5つです。

・4Kを採用し、シームレスで高画質な空間映像を提供する
Matterport は4Kを採用しているので、細部までハッキリとした3D空間モデルを生成することが可能で、リアルな没入感を体験できます。

・利用目的やシチュエーションに合わせた視点を得られる
Matterport のデータは平面図、立体図、空間移動の3視点で利用することができます。フロアマップのように用いて、自分の居場所を明確にしたいならば平面図を使うのが良いでしょう。空間を模型のように俯瞰したい場合は空間をさまざまなアングルから眺めることのできる立体図を選択するのが良いでしょう。空間移動の視点を使えば、Googleストリートビューのようなウォークスルー機能を利用できます。Matterport では移動できるポイントを自由に変えられるので、実際の空間を移動しているかのように3Dデータを動かせます。

・充実した編集機能
データをスキャンして3D空間モデルを作って終わり、ではなく、生成した3D空間モデル内に画像や動画、音声、URLを埋め込むことができたり、CGを入れ込んだりできるなどサポート機能も豊富です。

・計測機能で企業のDX化を推進する
空間をスキャンして3D空間モデルを作るときに、建物や家具の寸法をほとんど誤差なく計測することが可能なので、寸法計測で発生していたコストを大幅に削減することができます。これは建設業界にとって大きなメリットですよね。

・スマホ、VRで簡単に表示できる
Matterport で生成された3Dモデルの閲覧には専用のアプリや会員登録は必要ないので、スマホ、PC、タブレットがあればだれでも鮮明な画質で3D空間モデルを楽しめます。

このように、建築・建設業界だけでなく、さまざまな業界で役に立つ機能も多く、時間の節約、コスト削減、プロセスの合理化、そして業務の効率化を図れるので、不動産業や旅行・宿泊業、小売業などでも活用が広がっています。*1

Matterport Proとは何か

Matterport Pro シリーズは、デジタルツイン生成に適したカメラの標準機種シリーズであり、Matterport のフラッグシップモデルとなっています。

1つ前の世代である Matterport Pro2 の特徴は以下の3点で、これらは Matterport Pro3 にも残っています。

・空間をスキャン撮影
空間の細部までもスピーディかつ簡単に捉えることができます。ただし、赤外線を使っているため、室内でしか使用できません。

・撮影データをアップロード
撮影したアップロードデータをMatterport 3Dクラウドにアップロードするだけで、自動的に画像合成処理され、3D空間モデルが生成されます。

・SHARE AND ENGAGE
生成された3D空間モデルはそのままクラウドから配信されます。発行された
URLを共有したり、Webサイトに埋め込んで表示させたりできます。Googleストリートビューや不動産情報サイトなどに掲載することも可能です。

Matterport Pro3

Matterport Pro3 は、より大きな空間を、かつてない精度で、より迅速にスキャンすることが可能になりました。屋外を含む様々な空間でも高精度かつ没入感のあるデジタルツインで再現できます。*2

Matterport Pro3 は何がすごいのか

新しく Matterport Pro3 に追加された機能、アップグレードされた機能は次のようになっています。

・LiDARセンサーを搭載
Matterport Pro3 には新しく、RGBセンサーとLiDARセンサーが搭載されるようになりました。
RGBセンサーのR・G・Bはそれぞれ赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の光の三原色を表しており、RGBセンサーは光を受けとり、受光したR・G・Bの比率を計算することで色を判別します。
LiDAR とは Light Detection And Ranging(光による検知と測距)の略称で、近赤外光や可視光、紫外線を使って対象物に光を照射し、その反射光を光センサーでとらえ距離を測定するリモートセンシング(離れた位置からセンサーを使って感知する)方式を言います。
Laser Imaging Detection And Ranging(レーザー画像検出と測距)とも言われ、多くは近赤外レーザー光をパルス状に照射し、対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間差を計測します。*3
このセンサーを活用することで長時間のキャプチャー作業に使用可能になり、どのような条件下でも数百万回の測距が可能になりました。

・どこでも撮影できる
Matterport Pro2 は屋内だけでしか使用できませんでしたが、Pro3 では屋外、そして直射日光のふりそそぐ日なたでも撮影が可能になりました。Pro3 のカメラは従来のものと異なり、LiDAR を搭載しているためです。数百万回もの測距を行うことで、没入感のある精密なデジタルツインの世界を屋内だけでなく屋外にまで広げることができるようになりました。

・飛躍的な精度の向上
Matterport Pro3 を Matterport の高性能な画像処理プラットフォームと同時に活用することによって、今までに無いほど、現実世界を正確かつ精細にデジタルツインの世界に構築することができます。

・広範囲を高速でスキャン
Matterport Pro3 は最大で100mもの範囲を測距することができ、一回のスキャンあたり20秒未満でキャプチャーすることができます。スキャンにかかる時間を大幅に減らしたことで、デジタルツインを情報共有したり、共同作業で利活用したりする時間と機会を増やすことができます。

他にも20MPのセンサーと12枚で構成される超広角レンズが搭載されたことによって生き生きとした鮮やかな色で、高精度かつ高精細なデジタルツインを生成できます。
さらに、Pro3 とシームレスに連動する Matterport 社の次世代デジタルツインプラットフォームを併用することで、関係者間で円滑な共同作業が可能となるので、中小企業から大企業まであらゆる規模の組織におけるコスト削減と収益拡大が期待できます。
屋内外の広い空間のスキャンに対応しており、建設現場、商業施設、商用不動産など、より高い品質と精度でレンダリングする必要があるプロジェクトに最適の製品となっております。

まとめ

Matterport Pro2 でも十分に建築業界で使われてきましたが、やはり屋内でしか使えず、小規模空間のみスキャン可能であったことにより、不動産業や商業施設で活用されることが多かったようです。
Matterport Pro3 の登場によって建物の外装、大規模な建築も簡単にデジタルツイン化することができるようになりました。これをきっかけに Matterport を導入、活用する企業が増え、建築のデジタルトランスフォーメーション化がますます発展していくことでしょう。

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参考文献
*1 Matterport「Matterportの仕組み」
https://matterport.com/ja/how-it-works

*2 Matterport「Pro3 3Dカメラ」
https://matterport.com/ja/pro3

*3 ROHM 「LiDARとは?」
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/laser-diodes/ld_what10

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