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ジェネラティブデザインとはどんな技術?注目の背景を解説

ものづくりは技術革新に伴いその品質や生産スピードが飛躍的に進化していますが、そんなものづくりの未来を支えている技術の一つがジェネラティブデザインです。

AIを使ったものづくりを実現するジェネラティブデザインは、具体的にはどのような技術で、なぜ注目を集めているのでしょうか。この記事では、そんなジェネラティブデザインの概要や注目の背景、そして同技術がものづくりの世界に与える影響について、解説します。

目次:

  1. ジェネラティブデザインとは
  2. ジェネラティブデザインが注目される背景
  3. ジェネラティブデザイン導入のメリット
  4. ジェネラティブデザインが使える主なサービス
  5. ジェネラティブデザインはものづくりの未来にどんな影響を与えるのか?

ジェネラティブデザインとは

ジェネラティブデザイン(Genarative Design、GD)は、生成AIを使ったデザイン生成技術です。近年はジェネレーティブデザインという表記や呼称が定着しており、ジェネラティブデザインという表記は技術が登場してまもない頃のもので、表記の違いによって定義が変わることはありません。

ジェネラティブデザインの最大の魅力は、デザインに伴う条件や目的を伝えるだけで、それに則ったアイデアを短時間でアウトプットしてくれるところにあります。人間のデザイナーの場合、一つのアイデアを出すのに多くの時間を必要とすることもありますが、ジェネラティブデザインの場合はごくわずかな時間で生成が可能です。

これまで人間の仕事と言われてきたクリエイティブな業務を、ジェネラティブデザインはその大半を担える革新的な技術と言えます。

ジェネラティブデザインが注目される背景

ジェネラティブデザインは各業界で大きな注目を集める技術ですが、その背景には以下のような理由が考えられます。

人材不足の深刻化

まず、日本では労働人口の減少が深刻化しており、人間のデザイナーが将来的に不足することが予想されるからです。少子高齢化により若手デザイナーの減少はもちろんのこと、経験豊富な熟練デザイナーも高齢化で今後第一線を退いていくことから、現場の人間が少なくなっていくことは免れません。

このような問題に対処できるのが、ジェネラティブデザインです。デザイン業務の大半を自動化することができるこの技術を使って、労働人口が不足しても高い生産性で不足をカバーすることができます。

製造コストの増大

労働人口の減少やエネルギー価格の高騰などに伴い、ものづくりのコストも増大傾向にあります。価格優位性は市場競争において重要な意味を持つ要素ですが、すでに価格面での企業努力は限界に達しており、多くの企業が値上げに踏み切っているのが現状です。

このような事態に対しても、ジェネラティブデザインの導入は有効です。ものづくりにおいて大きなウェイトを占めるデザインコストを圧倒的に小さく抑えられる可能性を秘めており、価格優位性の面で他社と差別化を図ることが出来ます。

ジェネラティブデザイン導入のメリット

ジェネラティブデザインの普及に貢献しているソフトウェア企業のAutodeskは、同技術の導入が企業に以下のようなメリットをもたらすとして、その魅力をアピールしています*1。

多様なアイデアの創出

ジェネラティブデザインは、与えられた条件をもとにそれをクリアするための多様なアイデアを創出することができる技術です。

人間が培ってきた常識にとらわれないアプローチで解決策を検討できるので、時には思いもよらないユニークなアイデアが得られることもあるでしょう。

生成AIによって半永久的にアイデアを生み出し続けられるジェネラティブデザインは、アウトプットの量においても人間のそれを凌駕しています。とにかく量を必要とする場合にも、活躍が期待できるツールです。

条件に応じた柔軟な最適化

ジェネラティブデザインなら、どのような厳しい条件においても必ず最適化されたアイデアを生み出してくれます。設計内で競合してしまう無理のある制約条件でも、それをクリアできるように条件を考慮し、アイデアを形にできるのが強みです。

今後イノベーションの創造において、ジェネラティブデザインは重要な役割を果たすようになるでしょう。

高度な技術の実装

人間のアイデアやスキルを時には超えていける技術であるジェネラティブデザインは、従来のデザイナーには不可能だった高度な技術も検討が可能です。

複雑な形状の採用についても生成AIが自動で最適化・実装してくれるので、デザイナーに不足するスキルや時間を補ってくれる強力なテクノロジーと言えます。

ジェネラティブデザインが使える主なサービス

ジェネラティブデザインはすでに多様なサービスで利用が可能となっており、代表的な製品には以下のようなものが挙げられます。

Fusion 360

Fusion 360は、Autodeskが手掛けるプロダクトデザイン特化のCADソフトです。機能の一環としてジェネラティブデザインツールが備わっており、ユーザーは製品設計を専用ツールによって自動化することが出来ます。

Fusion 360は他のAutodesk製品との互換性にも優れており、他のデジタルツールとの併用によって相乗効果も期待できます。

Creo

Creoは高い拡張性と導入実績が豊富な3DCADソフトで、ジェネラティブデザイン機能を実装した将来性が注目されています。

AIを使ったデザイン最適化機能を使用し、プロダクトデザイナーの業務負担削減に貢献できる製品です。

COSMOL

COSMOLは高度な数値解析手法を実装しているシミュレーション機能が特徴のモデリングソフトです。

ジェネラティブデザインと高機能なシミュレーションの併用により、デザインの最適化をシームレスに実行することが出来ます。

ジェネラティブデザインはものづくりの未来にどんな影響を与えるのか?

ジェネラティブデザインの登場は、プロダクトデザインの世界に多大な影響を与えると考えられていますが、具体的にはどのような変化が想定されているのでしょうか。

デザイナーの存在意義への多大な影響

最も大きな影響を受けるのは、デザイナーです。これまで従事していた大半の業務がジェネラティブデザインによって自動化されることで、彼らが担う作業は大幅に減少することとなります。

結果、従来よりもデザイナーが活躍できる機会は少なくなり、デザイナーの職が今後少なくなっていくことが懸念されているのが現状です。

ただ、上でも紹介したようにジェネラティブデザインは働き手不足を解消する目的があることからも分かるように、現状よりもデザイナーの数は将来的に少なくなる可能性が高いと言えます。

また、デザイナーはよりクリエイティブな領域で活躍できる機会が増えることから、仕事が少なくなる影響よりもむしろ、求められる役割の変化に対応する能力が必要となっていくかもしれません。

技術革新の大幅な飛躍

ジェネラティブデザインによる多様なアイデアの実践は、技術革新を後押しする上で大きな意味を持ちます。

ユニークなアイデアが必ずしも実用性を伴うとは限りませんが、無限にトライアンドエラーができるジェネラティブデザインであれば、その負荷を最小限に抑えつつ、大きなリターンを得られるでしょう。

まとめ

この記事では、ジェネラティブデザインの概要や可能性について解説しました。すでに民間で一定の成果を残しつつあるジェネラティブデザインは、今後プロダクトデザインにおいて欠かせない技術となることが考えられます。

早い段階からジェネラティブデザイン運用について検討を進め、試験的に使用することも視野に入れることをおすすめします。

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出典:

*1 Autodesk「ジェネレーティブ デザインとは」

https://www.autodesk.co.jp/solutions/generative-design

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