SolidWorksコンフィギュレーションの使い方入門|1つのモデルで複数パターンを効率管理!
1. はじめに:SolidWorksコンフィギュレーションの必要性と基本概念
SolidWorksを使い始めたばかりの方は、似たような部品や仕様違いのモデルを作るたびに、新しいファイルをいくつも作成していませんか?
たとえば「長さが違うだけのシャフト」や「穴の有無で異なるプレート」など、ほんの少しの違いのためにファイルを複製してしまうと、管理が煩雑になり、どれが最新版かわからなくなることもあります。
そんなときに役立つのが、SolidWorksの「コンフィギュレーション」機能です。
この機能を使えば、1つのモデルファイルの中に複数のバリエーション(構成)をまとめて管理できます。寸法、フィーチャー(穴・溝など)、材質の違いなどを、コンフィギュレーションごとに切り替えることで、作業効率が大きく向上します。
さらに、ファイル数の削減だけでなく、設計変更の反映や差分管理もシンプルになり、エラーの発生も防ぎやすくなります。モデルが軽くなれば、SolidWorksの動作も安定しやすくなるというメリットもあります。
本記事では、コンフィギュレーションの基本的な考え方から、作成手順、管理のコツ、実際の活用例、トラブル対策までをわかりやすく解説します。
「同じような部品を何度も作っている」「モデル管理に時間がかかって困っている」と感じている方は、ぜひこの記事を参考にして、設計の効率化に役立つ第一歩を踏み出してみてください。
2. コンフィギュレーションの基本理解
引用:https://help.solidworks.com/2021/japanese/WhatsNew/c_wn2021_visualize_support_sw_configurations.htm
SolidWorksの「コンフィギュレーション」は、設計業務の効率化に欠かせない重要な機能のひとつです。特に、少しずつ仕様が異なる部品を数多く扱うような場面では、その効果を強く実感できるでしょう。このセクションでは、まずコンフィギュレーションの基本概念をおさらいし、利点や適用例について理解を深めていきます。
2.1. コンフィギュレーションとは?
コンフィギュレーションとは、1つのSolidWorksファイル内で、寸法や形状、部品の状態などを切り替えて複数のバリエーションを管理できる機能です。対象となるのは、パーツファイル(部品)やアセンブリファイル(組立)で、たとえば「長さが異なる部品」や「穴の有無で仕様が違うプレート」などを、ひとつのファイル内で作り分けることができます。
従来の方法では、それぞれのバリエーションを別々のファイルとして保存し、ファイル名を変えて管理していた方も多いのではないでしょうか。しかしこのやり方では、設計変更の際に複数のファイルを個別に修正する必要があり、作業ミスや整合性の崩れが起きやすくなります。
コンフィギュレーションを活用すれば、1ファイルで全てのバリエーションを一括管理できるため、更新や変更の効率が大きく改善されます。これにより、設計の柔軟性が高まり、後工程でのミスも減らすことができるのです。
2.2. コンフィギュレーションの主な利点
コンフィギュレーションの最大のメリットは、ファイル数を減らし、データ管理をシンプルにできることです。似たような部品をそれぞれ別ファイルで管理する必要がなくなるため、作業者間でのデータ共有もスムーズになります。
また、設計変更が発生したときにも、対象となるコンフィギュレーションだけを編集すればよいため、不要な修正作業を最小限に抑えられます。フィーチャー(穴や溝など)の抑制や寸法の切り替え、材質の変更も個別に設定できるため、柔軟かつ効率的に設計を進めることが可能です。
さらに、すべてのバリエーションを1つのファイルで扱うことで、整合性を保ったまま複数の仕様を同時に管理できる点も大きな利点です。特に、後から変更を加える場面では、ファイル間での差異によるトラブルを回避しやすくなります。結果的に、SolidWorksを使った設計業務全体の品質とスピードが向上するでしょう。
2.3. コンフィギュレーションの適用例
SolidWorksのコンフィギュレーションは、さまざまな業種・用途で活用されており、特に部品のサイズや構成にバリエーションがある製品では効果を発揮します。
たとえば、シャフトやボルトのように「長さ」や「直径」だけが異なる部品を複数管理する場合、それぞれを別ファイルで用意するのではなく、1つのファイル内で異なる構成として切り替える方が効率的です。
また、穴の有無で仕様が異なる板材や、材質の違いによって質量を比較したい部品にも適しています。構造は同じで属性だけが違うような場合には、特にコンフィギュレーションの効果が大きいです。さらに、設計テーブルと組み合わせれば、複数のバリエーションを表形式で一括管理でき、手作業のミスを減らすことにもつながります。
アセンブリにおいても、構成部品の有無や位置の違いによるバリエーションを同一ファイル内で試せるため、より柔軟な設計検討が可能になります。同じ構成部品を使った複数パターンの組立例を比較検討したいときなど、設計スピードと選択肢の幅が格段に広がるでしょう。
3. コンフィギュレーションの作成と管理
この章では、SolidWorksにおけるコンフィギュレーションの作成手順と、日常的な管理方法について解説します。コンフィギュレーションはとても便利な機能ですが、初心者にとっては使い始めで戸惑うことも多く、最初の理解がとても重要です。一度やり方を覚えれば、SolidWorksの操作がぐっと楽になり、設計作業の自由度とスピードが大きく向上します。
まずは基本的な作成方法を確認し、その後、管理に役立つ「コンフィギュレーションマネージャー」の使い方や、Excelと連携できる「設計テーブル」を活用した効率的な運用について順に見ていきましょう。
3.1. コンフィギュレーションの作成手順
コンフィギュレーションを作成するには、まずベースとなるパーツまたはアセンブリファイルを開きます。SolidWorks画面の左側にあるタブを切り替えると、「コンフィギュレーションマネージャー」が表示され、ここから構成の一覧を管理できます。
新しいコンフィギュレーションを追加したい場合は、既存の構成を右クリックし、「新規コンフィギュレーション」を選択します。名前や説明を入力したり、初期状態の設定を指定したりできますが、最も重要なのはどの寸法やフィーチャーを変更するかを明確にすることです。
寸法を変えたいときは、対象となるスケッチ寸法を編集し、「この構成専用の値に変更」を選びます。たとえば、ある構成では長さを100mmに、別の構成では150mmに設定する、といった具合です。
フィーチャーを切り替える場合は、ツリー内で該当フィーチャーを右クリックし、「この構成で抑制」や「この構成で抑制解除」を選択することで、構成ごとにオン・オフの設定が可能です。こうして複数のバリエーションを1つのファイルに追加していくことで、柔軟な設計管理が実現できます。
3.2. コンフィギュレーションマネージャーの活用
コンフィギュレーションマネージャーは、すべてのコンフィギュレーションを視覚的に一覧表示し、切り替えや編集をスムーズに行うためのツールです。現在アクティブになっている構成はアイコンや太字で示され、変更を行いたい構成はワンクリックで切り替えることができます。
また、既存の構成をもとに新しいコンフィギュレーションを作ることも可能で、これを「派生コンフィギュレーション」と呼ぶことがあります。たとえば、元のモデルの寸法だけを一部変更したいときには、ベース構成をコピーし、必要な箇所だけ編集すれば効率的に新しい構成を作成できます。
さらに、「プロパティの編集」機能を使えば、構成ごとに異なる部品番号や材質名を設定でき、部品表(BOM)への反映も自動で行われます。これにより、アセンブリや図面との連携がスムーズになり、情報の一元管理が可能になります。
コンフィギュレーションが増えてきた場合でも、マネージャー上で名前や状態を確認できるため、操作に迷うことが少なくなります。構成を整理整頓しながら設計を進めるには、このツールの活用が欠かせません。
3.3. 設計テーブルによる効率的な管理
設計テーブル(Design Table)は、Excel形式の表を使って複数のコンフィギュレーションを一括で管理する便利な機能です。SolidWorksのメニューから設計テーブルを挿入すれば、スプレッドシート感覚で寸法やフィーチャーの切り替え設定が行えるようになります。
設計テーブルでは、行を各コンフィギュレーションの名前に、列を制御したい寸法やフィーチャー、材質、プロパティなどに割り当てます。こうすることで、数十〜数百におよぶ構成の管理も簡単にでき、設計ミスの防止にもつながります。
また、Excelの関数を活用すれば、ある寸法の値を他の寸法に連動させたり、条件付きで値を切り替えたりと、柔軟な制御が可能になります。たとえば、「長さに応じて幅を自動的に変える」といった複雑な設定も、表を使えば直感的に実現できます。
ただし、設計テーブルを使う際には、列名や構成名に一貫性を持たせることが重要です。ルールを決めずに運用すると、のちの修正やチームでの共有に支障が出る可能性があります。特に複数人で設計を進める場合は、命名ルールや入力方法をあらかじめ統一しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
4. 実践的なコンフィギュレーション活用法
コンフィギュレーションは作成するだけで終わりではなく、実際の設計現場でどう応用するかが重要なポイントです。特に、部品のバリエーションが多い製品や、組み立て構成が複雑なアセンブリを扱う場面では、コンフィギュレーションの活用によって設計効率が大幅に向上します。
この章では、よく使われる実践的な使い方を3つに分けて紹介します。派生コンフィギュレーションの作成方法、アセンブリでの切り替え、そして図面への反映まで、SolidWorksをより有効に活用するための具体例を見ていきましょう。
4.1. 派生コンフィギュレーションの作成
派生コンフィギュレーションとは、既存のコンフィギュレーションをベースにして、一部だけ変更を加えた新しい構成を作成する方法です。たとえば、あるパーツの基本形状はそのままで、長さや穴の位置など一部だけを変更したいときにとても便利です。
作成手順はシンプルで、コンフィギュレーションマネージャー内で対象となる構成を右クリックし、「構成のコピー」や「新しい構成を追加」を選択します。その後、必要な寸法やフィーチャーを変更することで、派生した構成を簡単に作成できます。
このとき、構成ごとに名前を明確に付けておくことで、どのバリエーションがどのような仕様なのかがすぐに判別できるようになります。命名には「Length_100」「Hole_なし」など、変更内容を含めるのが効果的です。
派生コンフィギュレーションを活用すれば、類似部品をいくつも作る手間が省け、設計変更や試作品の比較検討もスムーズになります。少しずつ仕様が違う製品を効率よく管理するには、まさに最適な方法です。
4.2. アセンブリでのコンフィギュレーションの適用
コンフィギュレーションはパーツだけでなく、アセンブリファイル(組立構成)でも非常に効果的に活用できます。アセンブリの中では、各部品に対して個別に異なるコンフィギュレーションを割り当てることが可能で、組立のバリエーションをひとつのファイルで管理できます。
たとえば、穴のある部品と穴のない部品を使った2つの組立パターンを比較したい場合、それぞれの部品に異なる構成を設定し、アセンブリ内で切り替えることで、複数の組立状態をファイル内で素早く確認できます。
さらに、アセンブリそのものにも独自のコンフィギュレーションを設定することで、構成部品の有無や配置位置を切り替えることも可能です。これにより、用途や仕様に応じた複数パターンの組立状態を一括で管理でき、設計変更の柔軟性が高まります。
このように、アセンブリの構成管理にコンフィギュレーションを活用することで、変更ミスを減らしながら、設計スピードと構成の可視化を同時に実現することができます。
4.3. 図面でのコンフィギュレーション表示
コンフィギュレーションは3Dモデルだけでなく、図面作成の場面でも非常に有効に活用できます。SolidWorksでは、図面の各ビューごとに参照するコンフィギュレーションを指定できるため、寸法違いや仕様違いのバリエーションを図面上で簡単に切り替えて表示できます。
たとえば、長さが100mmと150mmの2種類のシャフトを作図したい場合、それぞれの構成をビューに割り当てることで、同じ図面内に異なるモデル形状を並べて表示することが可能です。
さらに、部品表(BOM)を作成する際にも、構成ごとに異なる品番や材質などの情報を自動で反映できるため、データの整合性を保ちながら作業効率を向上させることができます。
この機能は、設計レビューやクライアントへの提案資料作成など、複数案を視覚的に比較提示したいシーンで特に力を発揮します。図面においてもコンフィギュレーションを使いこなせば、情報整理がしやすくなり、コミュニケーションの質も高まるでしょう。
5. コンフィギュレーション管理のベストプラクティス
SolidWorksでコンフィギュレーションを効果的に運用するには、作成だけでなく“どう管理するか”が非常に重要なポイントになります。構成の数が増えれば増えるほど、情報の整理と管理ルールの整備が欠かせません。命名のルールやファイル構成、パフォーマンスへの配慮、設計変更時の影響確認など、いずれも設計の質と効率を大きく左右する要素です。
この章では、コンフィギュレーションの運用を安定させ、チーム設計や長期運用にも対応できるようにするための管理のコツを3つの観点から紹介します。
5.1. 効果的な命名規則とデータ構造
コンフィギュレーションを複数作成する場合、それぞれの構成が何を意味しているのかがひと目でわかるわかりやすい命名ルールを設定しておくことが大切です。名前が曖昧なままだと、後から構成を確認するたびに混乱が生じ、チームでの連携にも支障が出る恐れがあります。
たとえば、「Length_200_HoleOn」や「Length_150_NoHole」といったように、寸法や特徴を組み合わせて表記することで、仕様の違いが直感的に把握できるようになります。このような命名は、BOMや図面上での識別もしやすくなり、情報の取り違えを防ぐ効果もあります。
また、データ構造についても考慮が必要です。すべてのバリエーションを1つのファイルに集約するのか、それとも大きな仕様の違いごとに別ファイルで分けるのかは、使用頻度や管理体制に応じて判断する必要があります。共通ルールを社内で明文化しておけば、複数の設計者が関わるプロジェクトでも管理の一貫性が保たれます。
さらに、設計テーブルを使用する場合も、列や行の名称に一貫した命名ルールを適用することが重要です。どの項目が何を制御しているのかがすぐにわかるように整理されていれば、データの保守や変更が格段にスムーズになります。
5.2. パフォーマンスとファイルサイズの最適化
コンフィギュレーションをたくさん作成すると、ファイルの再構築にかかる時間が長くなり、SolidWorks全体の動作が重くなる場合があります。特にアセンブリに多数の部品が含まれていたり、構成数が極端に多かったりする場合は、設計作業に支障が出ることもあるため注意が必要です。
こうした問題を防ぐには、まず本当に必要な構成だけを残すという判断が重要です。検討用に作っただけの一時的な構成は、作業完了後に削除したり、別ファイルに分けたりすることで、負荷を軽減できます。“使う構成だけを残す”という意識を持つことが、パフォーマンス維持の第一歩です。
また、フィーチャーを適切に抑制しておくことで、不要なモデル情報を再構築対象から除外でき、無駄な処理を削減できます。さらに、材質や外観といった見た目に関する情報をすべての構成に含める必要がない場合は、必要最低限に絞ることでファイルサイズを抑えることが可能です。
パフォーマンスやファイル容量に悩まされた場合は、ファイルを分割する、サブアセンブリ化する、軽量構成を検討するなど、状況に応じた対策をとることが求められます。
5.3. 設計変更時の対応戦略
コンフィギュレーションを活用していると、設計変更が発生した際に「どの構成に影響するのか」を正しく把握する必要があります。寸法の変更だけで済む場合であれば、設計テーブルや寸法値の更新で一括修正できますが、新たなフィーチャーを追加するような大幅な変更では、各構成にどのような影響が出るかを慎重に検証する必要があります。
特にアセンブリで利用している部品の構成に変更が加わる場合は、組み立て全体への波及効果を想定しなければなりません。変更内容によっては、部品表(BOM)の情報が自動的に更新されるため、意図しない部品番号の変更や、図面の再出力が必要になるケースもあるでしょう。
こうした事態を防ぐには、変更を加える前に「影響範囲リスト」を簡単に作成しておき、どの構成・アセンブリ・図面が関係しているのかを可視化することが効果的です。複数人で設計を分担している場合は、変更内容とその影響をチーム内でしっかり共有することも重要です。
このような対応戦略を日頃から意識しておくことで、大きなトラブルを未然に防ぐと同時に、設計変更のスピードと確実性を高めることができます。
6. よくある質問(FAQ)とトラブルシューティング
SolidWorksのコンフィギュレーションは非常に便利な機能ですが、使い慣れていないと予期せぬトラブルに直面することがあります。特に、複数の構成を切り替えて設計を進める際には、設定の食い違いや表示の混乱などが起きやすく、操作ミスや出力ミスにつながる可能性もあります。
この章では、コンフィギュレーションを使用する中でよくある質問や問題点を取り上げ、それぞれの原因と対処方法を具体的に解説します。さらに、設計テーブルやパブリッシャー機能を使う際に注意しておきたいポイントについても紹介し、実務で役立つトラブル対応力を高めることを目指します。
6.1. コンフィギュレーションの一般的な問題と解決策
Q1:コンフィギュレーションを切り替えても寸法が変わらない
A1: この問題の多くは、該当の寸法が「この構成専用」に設定されていないことが原因です。SolidWorksでは寸法を変更する際、どの構成に対して変更を適用するかを明示する必要があります。プロパティで“すべての構成”ではなく“この構成のみ”を選んでいるか確認しましょう。また、設計テーブルを使用している場合は、テーブル内にその寸法項目が正しく記述されているかもあわせて確認してください。
Q2:アセンブリで構成を切り替えても、部品の状態が反映されない
A2: このようなトラブルは、アセンブリ側で個々の部品のコンフィギュレーションを明示的に指定していない場合に発生しやすいです。アセンブリの構成を作成した後、それぞれの部品について、使用したいコンフィギュレーションを個別に設定する必要があります。設定がデフォルトのままでは、意図通りに切り替わらないことがあるため注意しましょう。
Q3:構成の数が増えてきたら、ファイルを開くのが遅くなった
A3: コンフィギュレーションの数が多くなると、再構築に必要な情報が増え、ファイルの読み込みに時間がかかることがあります。特に、アセンブリ内で多くの部品が異なる構成を持っている場合には、処理負荷が高まります。不要になった構成は削除するか、別ファイルに分けて運用するなど、パフォーマンスの維持を意識した整理が必要です。
6.2. 設計テーブルやパブリッシャー活用時の注意点
設計テーブルは多くの構成を効率よく管理できる優れた機能ですが、正確に使いこなすにはいくつかの注意点があります。特に、Excelのような自由度が高いインターフェースであるため、構文ミスやセルの誤指定がトラブルの原因になることがあります。
たとえば、列見出しや行見出しの名前が正しく入力されていないと、SolidWorksが項目を正しく認識できず、寸法が意図しない値に変わったり、フィーチャーが誤って抑制されたりするケースがあります。そのため、設計テーブルを編集する際は、SolidWorksの仕様に合った表記方法を確認し、常に正しい命名ルールを守ることが大切です。
また、パブリッシャーを使ってアセンブリ構成を切り替えるときにも注意が必要です。パブリッシャー機能は、アセンブリ内の部品構成を選択・公開するのに便利な機能ですが、設定を誤ると、部品が非表示になったり、BOM上に正しく反映されなかったりするトラブルが起きることがあります。
これらの機能を活用する際には、まず小規模なテストデータで動作を確認し、意図通りに制御できているかをチェックすると安心です。また、作業履歴を残しておくことで、万一トラブルが発生した際にもスムーズに原因を特定できます。
7. まとめ:コンフィギュレーションを活用して設計効率を向上させる
SolidWorksのコンフィギュレーション機能は、設計における「似て非なる」複数パターンを、1つのファイルで効率的に管理できる非常に強力なツールです。本記事ではその基本から活用方法、トラブル対処法までを詳しく解説してきました。
寸法やフィーチャー、構成部品の有無、材質の違いといった細かなバリエーションも、構成ごとに切り替えて管理することで、ファイル数の削減・設計変更の容易化・作業ミスの予防など、さまざまな面で業務効率を大きく高めることができます。
さらに、設計テーブルやアセンブリでの構成切り替え、図面への連携といった応用テクニックを取り入れれば、複雑な設計でもスマートにバリエーション展開が可能になります。命名ルールや構成数の最適化、設計変更時の影響確認といった管理面も意識することで、長期的にも安定した設計運用が実現できるでしょう。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、一度コンフィギュレーションの仕組みを理解すれば、日々の設計作業がぐっと快適になります。小さなパーツからでも少しずつ使い始めて、実務での活用範囲を広げてみてください。
SolidWorksのコンフィギュレーションを正しく活用することは、設計者としてのスキルアップにも直結します。今後の業務において、より効率的で柔軟な設計を実現するための第一歩として、ぜひ本記事の内容を役立てていただければ幸いです。
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<参考文献>
コンフィギュレーション – 2025 – SOLIDWORKS ヘルプ
https://help.solidworks.com/2025/japanese/SolidWorks/sldworks/c_Configurations_Overview.htm
コンフィギュレーションの追加 – 2025 – SOLIDWORKS ヘルプ
https://help.solidworks.com/2025/japanese/SolidWorks/treehouse/t_adding_configurations.htm
コンフィギュレーション表示 – 2025 – SOLIDWORKS ヘルプ
https://help.solidworks.com/2025/japanese/SolidWorks/sldworks/r_ConfigurationManager.htm