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Bim 360 docsとは?新しいライセンス体系「ACC」との変更点も解説します

2016年に登場したBim 360は、オートデスクが提供している建設プロジェクト向けのサービスです。関係者と文書を共有することで作業を効率化することができ、さらに招待される側はライセンス不要で利用できる点が大きな特徴でした。

しかしBim 360はdocsシリーズを含め、すべてが2024年9月にサポート終了が決まっています。後継となるAutodesk Construction Cloud(ACC)では、招待される側もライセンスを所有しておかなければなりません。

この記事ではBim 360 docsの主な機能やメリットをはじめ、後継となるライセンス体系も解説します。BIM/CIMの導入や文書業務の効率化を検討している方やすでにBim 360 docsを利用している方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。

1.オートデスクが提供しているBim 360 Docsの機能

2. Bim 360 のラインナップについて

3. Bim 360 の後継について

bim360 docsとはオートデスクのクラウドサービス

BIM 360 docsは“docs”の文字通り、文書管理に特化したツールです。建設業向けクラウド型サービスとしてオートデスクが提供しているツールで、図面や文書、3Dデータの共有や管理ができます。

Bim 360 docsでは、主に以下の機能が搭載されています。(※1)

  • プロジェクト作成
  • 図面・設計図書関連データの登録や共有
  • 指摘事項の作成

プロジェクトメンバーはデータ共有が可能となり、IFCやMicrosoft office、PDFや写真といったさまざまなデータ形式にも対応しています。そして指摘事項を作成でき、共有している元のデータに直接修正依頼や確認事項を入力できるため、メールで何度もやり取りする必要がありません。

BIM 360 docsはクラウドタイプであるため、手元にソフトを用意する必要がありません。ブラウザ環境とPCさえあればすぐに利用することができ、AutoCADなどの専用ツールがなくても図面や専門的な文書を閲覧でき、関係者と気軽にデータを共有できる点が大きな魅力です。

まずはBim 360 docsの基本的な機能やラインナップ、今後のサポート期間について解説していきます。

Bim360のラインナップ

Bim 360 docsは文書管理に特化したエディションで、国内で提供されているものではDesignとCoordinateの2つもあります。この2つはBim 360 docsのドキュメント管理機能のほかにダッシュボードや分析の機能も内包しています。

「Bim 360 Design」はRevitやCivil 3Dなどを使用するチーム向けの設計コラボレーションやデータ管理に特化したエディションで、デザインコラボレーションやRevit クラウドワークシェアリングという機能を持っている点が特徴です。

そしてBim 360のCoordinateはクラウドベースのBIM管理ソリューションとしてモデルコーディネーションの機能を持っており、朱入れや干渉チェックに対応しています。

bim360 docs の魅力とできること

クラウド上で1つの文書を共有することで、データの整合性を保つことができる点です。

建設業では図面の変更が多く、プロジェクト進行中は似たような図面を何度もやり取りしなければなりません。変更や修正が多く、そのたびにファイル名に【最新版】などとつけて送付します。しかし受け取った側は混乱しやすく、本当の最新版が見つかりにくいことが多々あります。

その点Bim 360 docsは1つのデータをクラウドで共有できるので、最新版として何度も修正後の図面や資料を送り直す必要がありません。さらにコメントや朱入れの履歴もわかりやすく、いつ・誰が・どこにコメントを入れたかがわかりやすくなります。

2024年9月でサポート終了は自動アップグレードされる

クラウド上でデータ共有でき招待される側のライセンスが不要だったBim 360 docsですが、実は2024年9月30日で終了することが決まっています。(※2)この日以降、Bim 360 docsを含むBIM360 Teamの製品はすべて廃止となり、ファイルアクセス権は失われ、Webサービスおよびモバイルアクセス権もすべて削除されます。

Bim 360 docsの後継として登場しているのが「Autodesk Docs」です。これはBim 360 docsと同じツールとして位置づけられるもので、Bim 360 docsのライセンスを持っている場合自動でアップグレードされます。

2021年7月7日より上記のAutodesk Docsの単体販売が開始されており、価格はBim 360 docsと同じです。この日以降Bim 360 docsの単体販売はないため、2021年7月7日以降に契約している場合は自動でAutodesk Docsになっています。(※3)

Bim 360 docsのサポート終了については数年前からオートデスクが公式でアナウンスしており、以下の段階を経て終了へ向かっている最中です。(※2)

  • 2023年1月31日…既存のBIM 360 Teamサブスクリプションが更新できなくなる
  • 2023年4月30日…新規プロジェクトおよびハブが作成不可。一部モバイルアプリがiOS・Androidアプリストアより削除される
  • 2024年6月30日…Bim 360 docsを含むBIM 360 Teamのファイルは読み取り専用アクセスへと移行される
  • 2024年9月30日…BIM 360 Teamがすべて廃止。ファイルのアクセス権お呼びWebサービス・モバイルアプリへのアクセス権がすべて削除される

Autodesk Docsへのアップグレードに伴う変更点

Bim 360 docsはAutodesk Docsへ自動アップグレードされることで、機能自体が大きく変わることはありません。しかしロゴのデザインと一部インターフェースが変更されているので、Bim 360 docsの長いユーザーは変更点に気づくこともあるでしょう。

Bim 360 docsからAutodesk Docsへのアップグレードでは、ライセンス管理が大きく変わります。最大の注意点は、招待される側もAutodeskのライセンスが必要なことです。

アップグレードのメリットの1つとして、ライセンスを持っていれば、自社のテナントサイトだけでなく他社へのテナントサイトへ参加できます。(※3)テナントサイトとはクラウド上の自分の場所という意味で、Autodesk Docsのアクティベーション時に登録するものです。

Bim 360 docsの時は、主催者のみライセンスを持っていれば、招待される側はライセンスなしでアクセスできました。しかし、アップグレードに伴い、このアクセスを持たないユーザーの招待ができません。

上記のような変化は、オートデスクがBIM 360というクラウドサービスからデジタルトランスフォーメーション時代を見据え「Autodesk Construction Cloud」という新しいプラットフォームへと移行するためです。

Bim360の後継体制「ACC」とは

2Dから3Dへ、そしてBIM/CIMへの発展をけん引しているオートデスクは、「コネクテッドな建設」を目指し、「Autodesk Construction Cloud」(以下ACC)という新しいプラットフォームへの移行を始めているのです。

ドキュメント管理ツールであるBim 360 docsも、公式サイトにてACCの一部になったことを明記しています。(※4)

ACCでは、従来のBIM 360製品の機能と強力な新機能を1つのプラットフォームにまとめられるとして、以下4つのラインナップが紹介されています。

  • Autodesk Docs…旧Bim 360 docs。施工ドキュメント管理ソフトウェア
  • Autodesk Build…現場とプロジェクト管理のワークフローを統合
  • Autodesk BIM Collaborate…チームとモデルを1か所で調整して、設計糸と施工性を調整・実行
  • Autodesk Takeoff…2Dおよび3D の数量算出を単一ソリューションで実現

オートデスクが提唱するBYOSとは

オートデスクがACCを提供する背景には、「BYOS」というライセンス管理の在り方があります。BYOSとはBring Your Own Subscriptionの略で、「サブスプリプションの持ち込み使用」のことです。(※5)

オートデスクではこのBYOSをオートデスクのモジュールおよびサービスへのアクセスを定義しており、Autodesk Docsでも必要としています。

コネクテッドな建設を目指すAutodeskでは、アクセス管理が雑然としがちです。様々な人とソフトを共有することで管理者が誰かわからなくなったり、うっかりライセンス違反をしてしまったりということが起こる可能性があります。

オートデスクでは、上記のようなリスクを踏まえてACCという新しいライセンス体制を整えたのかもしれません。ライセンスを持たないユーザーを招待できなくなるのは不便かもしれませんが、2024年9月のサポート終了後は、招待される側もライセンスの取得が必要です。

Bim 360 docsの機能や魅力、後継となるAutodesk DocsやACCについて解説しました。建築や設計業務で重宝されているオートデスクの製品は、クラウドによってデータ共有が可能となり、さらに使いやすくなっています。

いつでも・どこでも使えるツールだからこそ、ライセンス管理は重要です。Bim 360 docsやすでにAutodesk Docsを利用している人は、新しいルールやライセンス定義についてぜひ知っておいてください。

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参照サイト

※1 

https://www.cadjapan.com/special/autodesk-concierge/useful/article/200805-01/

※2 

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/tsarticles/tsarticles/JPN/ts/1upmroGRB3eMUWNbnb3pt9.html

※3 https://bim-design.com/file/BIM360_20210708.pdf P.5

※4 https://www.autodesk.co.jp/bim-360/

※5 

https://help.autodesk.com/view/COLLAB/JPN/?guid=Design_Collab_BIM_Collaborate_Pro_BYOS

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